• HOME
  • 記事
  • 一般スポーツ
  • 箱根駅伝で國學院大、青学大、駒大の3強を脅かすのはどこだ…謎の区間エントリーで最大のダークホースに創価大が浮上した理由とは?
ダークホース一番手の創価大は“山の神”5区が予想された吉田響を区間エントリーから外した。サプライズ戦略があるか?(写真:SportsPressJP/アフロ)
ダークホース一番手の創価大は“山の神”5区が予想された吉田響を区間エントリーから外した。サプライズ戦略があるか?(写真:SportsPressJP/アフロ)

箱根駅伝で國學院大、青学大、駒大の3強を脅かすのはどこだ…謎の区間エントリーで最大のダークホースに創価大が浮上した理由とは?

 来年1月2、3日に開催される第101回箱根駅伝。今大会は連覇を狙う青学大、出雲駅伝と全日本大学駅伝を制して3冠に王手をかけている國學院大、王座奪還を目指す駒大の〝3強争い〟になると予想されている。29日に「区間エントリー」があり、各校の戦略が薄っすらと見えてきた。果たして3強を脅かすチームは現れるのか。有力校の戦力と区間エントリーから探っていきたい。

 創価大の吉田響とスティーブン・ムチーニが補欠登録

 まず3強を追いかける一番手は創価大になるだろう。今季の学生駅伝は出雲4位、全日本4位。今季の実績は紛れもない4番手になるが、区間エントリーに驚かされた。
 「山の神」を目指してきた吉田響(4年)と前回2区を区間5位と好走したスティーブン・ムチーニ(3年)が補欠登録だったからだ。なお前回の創価大は当日変更(最大4名)を一切していない。
 順当なら2区にムチーニ、5区に吉田が入るはずだが、ふたりを補欠に登録したということは、主要区間の〝シャッフル〟も十分に考えられる。創価大がレースを荒らしてくるかもしれない。
 前回同様、2区ムチーニ、5区吉田が入った場合は1区で大きく出遅れない限り、2
区で上位に浮上して、5区吉田で再び、3強に迫ることができる。それが2区に吉田、ムチーニが1区や3区に入った場合はどうなるのか。

 今季の吉田は出雲2区で区間2位に32秒差をつけるダントツの区間賞。全日本2区は青学大・鶴川正也(4年)にラスト勝負で敗れて区間賞を逃したが、大半を引っ張り、駒大・佐藤圭汰が保持する区間記録に4秒差と迫る好タイムで突っ走っている。

 もともとスタミナ型で上りに強かった吉田。出雲と全日本で見せたようなアグレッシブな走りで花の2区に攻め込めば、区間賞を争うことになるだろう。
 1区の展開次第では、創価大が2区でトップに立つチャンスが出てくるはずだ。さらに10000mで27分41秒52を持つムチーニが吉田の前か後ろに入れば、創価大が〝ロケットスタート〟を見せてもおかしくない。
 4区に登録された野沢悠真(3年)は全日本8区を区間2位で走破した実力者。5区
の戦力は読めないが、4区終了時で大量リードを奪うことができるかもしれない。復路には前回6区3位の川上翔太(2年)が登録されており、復路でトップを独走した2021年大会の〝再現〟も可能だ。
 いずれにしても吉田響は5区に入るより、2区に投入された方が3強は嫌だろう。

 前回3位の城西大にも注目したい。出雲(2位→7位)と全日本(5位→6
位)が前年を下回り、今回の目標は「4位以内」としているが、オーダーの組み立て方を変えてきた。
 過去2大会は斎藤将也(3年)が2区、ヴィクター・キムタイ(3年)が3区を担っ
たが、今回はキムタイを2区、斎藤を補欠登録したのだ。斎藤は順当なら5区に入るだろう。斎藤は1年時の激坂最速王決定戦(登りの部)で「山の妖精」と呼ばれた先輩・山本唯翔(現・SUBARU)に1分近くも先着した選手で、前回は2区を1時間7分15秒の区間8位で走っている。今季は11月23日の八王子ロングディスタンス10000mで27 分45秒12の自己ベストをマークするなど調子は上々だ。
 本人も「チームのためにしっかり5区を走って、往路優勝を目指します。区間新を狙う準備はできている。全力で駆けのぼりたい」と山本が保持する区間記録を塗り替えるつもりでいる。
 そして5月の関東インカレ1部10000mで2位に入った平林樹(4年)も補欠登録。2年連続で9区を担ってきた主将が3区に入ることになれば、面白い位置で5区斎藤にタスキがつながるはず。3強を脅かす存在になるかもしれない。

 

関連記事一覧