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井岡一翔はインフル罹患のマルティネスとの仕切り直しの再戦を「ベスト」としたが…(写真・山口裕朗)
井岡一翔はインフル罹患のマルティネスとの仕切り直しの再戦を「ベスト」としたが…(写真・山口裕朗)

世界戦緊急中止の井岡一翔が次戦のターゲットをマルティネスとの仕切り直しの再戦1本に絞らなかった理由とは?

 マルティネスの回復に時間がかかり、仕切り直しの世界戦が先に延びるようであれば、ダイレクトリマッチにこだわらない考えであることも示した。WBAには暫定王者にデビッド・ヒメネス(コスタリカ)もいる。
「暫定に挑戦?急なことだったんで、そこまで整理できていなくて、あの発言に深い意味はないけれど、世界タイトルに挑戦したいんです」
 井岡は、そう補足説明した。
 実は、井岡はマルティネスとのダイレクトリマッチありきで再起を決めたわけではない。
 「何度でも立ち上がる姿」の象徴が世界のベルトであるのならば、マルティネスとの仕切り直しの再戦にこだわっているわけではない。
 二宮雄介マネージャーは、2、3月にも仕切り直しのマルティネス戦を実現したい考えだが、「選択肢としては、まずはマルティネス、次に他団体のチャンピオンという順番。IBF、WBO、WBCにWBAは暫定もある。考えながらやっていく」と、今後の展開に幅を持たせた。
 井岡は、新型コロナ禍の2021年の大晦日にも、当時のIBF世界同級王者だったジェルウィン・アンハカス(フィリピン)との統一戦が決まっていたが、政府の新型コロナ対策でアンハカスが入国できなくなりキャンセル。代わりに地域タイトルの3冠だった福永亮次(角海老宝石)とのWBOタイトルの防衛戦を行ったことがある。アンハカスとの仕切り直しの統一戦を希望していたが、アンハカスはマルティネスとの指名試合を優先して、その試合で王座から陥落。結局、アンハカス戦は実現しなかった。
 今回も期間が空けばどうなるかわからない。
 マルティネスが王座を返上したIBFは21日に静岡で同級3位のウィリバルド・ガルシアと同級4位のレネ・カリストのメキシコ人同士で王座決定戦が行われたがドローに終わり、現在は空位。WBOは10月に田中恒成(畑中)から判定でベルトを奪った南アフリカのプメレレ・カフー(南アフリカ)。そしてWBCは井岡が「次のターゲット」と公言していたジェシー“バム”ロドリゲス(米国)だ。
 年齢的に終幕へのカウントダウンに入っている井岡としても世界戦を行うつもりで作り上げてきたものを長く時間が経過することで無にはしたくないだろう。

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