「辞退していいのでは?」左足を負傷した久保建英のアジア杯代表合流予定に異論噴出
ラ・リーガ1部のレアル・ソシエダは4日、所属する日本代表MF久保建英(22)が左太ももの大腿四頭筋を痛め、理学療法士による治療を開始したと発表した。試合終了間際までプレーした2日のアラベス戦で痛めたもの。久保は14日のベトナム戦から始まるアジアカップの日本代表に選ばれていて怪我の影響が不安視されるが、5日に中東カタールへ向かいチームに合流し治療を続ける予定だという。約1か月間で最大7試合を戦うためファンの間からは「辞退していいのでは?」などの声があがっている。
「僕を痛めつけている人たちがいる」
スペインから気になる一報が飛び込んできた。
日本時間4日夜に更新されたレアル・ソシエダのクラブ公式X(旧ツイッター)へ、久保の負傷がポストされた。日本語に訳された文面はこう綴られていた。
「久保建英は火曜日の試合中に左太ももの大腿四頭筋を負傷し、理学療法士による治療を開始した。数時間後には日本代表に合流するために移動し、治療を続ける予定です」
久保は2日にホームのレアレ・アレーナで行われた、アラベスとの2024年初戦で先発。前半に退場者を出し、後半にはPKで先制される苦しい展開で攻撃をけん引し続け、後半アディショナルタイムにはクロスバーを直撃するあわやの一撃を放った。
しかし、この時点ですでに左太ももを痛めていたのだろう。直後に負けている状況下で交代した久保の試合後の様子を、スペイン紙『AS』はこう伝えている。
「左足を痛々しく引きずるなど、久保は誰の目にも明らかな異変を訴えながら、アノエタ(レアレ・アレーナの愛称)を後にしていった」
そして、最終的に1-1で引き分けたアラベス戦の2日後に、ソシエダから久保の負傷が発表された。Xにはスペインだけでなく日本からもコメントがポストされている。
「代表に合流する選択肢はない。クラブで治療した方が回復する」
「マジかよ、アジアカップ出んでええ。出たとしても準決、決勝からにして」
「行く必要ない。そもそもアジアカップがこの時期にあるのがイカれてる」
「アジアカップは最悪辞退というか、帰してもいいと思うよ森保さん」
久保はアラベス戦後のフラッシュインタビューで、語気を強めながら苦言を呈していた。昨年末のカディス戦で相手選手から脇腹を殴られ、さらに腕をつかまれながら、まるでプロレス技のように投げ飛ばされる蛮行を受けた。しかし、相手選手に提示されたのはイエローカードのみ。アラベス戦後も左足に血をにじませながら悲痛な思いを届けている。
「僕は人々にサッカーを楽しんでもらおうとプレーしているけど、ここ数試合における経験ほど、それが難しいと感じさせられたものはなかった。審判や相手チームの選手たちが、僕みたいに何かを生み出そうとトライする選手をもう少し守ってくれないと。そうするつもりはない人たちもいるけど、それでも僕を痛めつけている人たちがいる」
ラフプレーの対象となる頻度が激増したことと、今回の怪我との相関関係はわからない。しかし、以前から左太もも裏に張りを覚え、テーピングを巻いてプレーしていた久保は、大事を取る形で10月のカナダ代表との国際親善試合出場を回避している。
そうした状況下で激増中のラフプレーに対抗しようと思ったあまりに、古傷に必要以上に負荷がかかった可能性も否定できない。もっとも、怪我の状態はサポーターが心配するほど深刻なものではない可能性もある。前出の『AS』は次のように続ける。
「筋肉系の怪我を負ったにもかかわらず、久保は数時間後にはアジアカップに出場する日本代表チームに合流するためにカタールへ向かう。日本が久保を離脱させないのは、大会が進むにつれてこのアタッカーが頼りになる存在になると確信しているからだ。しかも久保は日本のアジアカップ初戦、14日のベトナム戦に間に合う可能性もある」
カタールの地で代表のメディカルスタッフの治療を受ける久保が、順調に回復する可能性を同紙は指摘した。一方でソシエダもメディカルスタッフをカタールへ派遣。久保の状態を常時チェックするなど、若き大黒柱を全面的にサポートする体制を整えている。