箱根駅伝2025で注目すべき”特別”な5人のランナー
出雲駅伝を5年ぶりに制して、全日本大学駅伝で初優勝を飾った國學院大。駅伝3冠を狙うチームの〝絶対エース〟として君臨するのが平林清澄(4年)だ。
箱根駅伝は1年時に9区を区間2位で4人抜き、2年時は2区を区間7位で6人抜き。3年時は花の2区を1時間06分26秒の区間3位と快走して、8人抜きを演じている。
そして平林の〝強さ〟を印象づけたのが今年2月の大阪マラソンだ。初マラソン日本人最高&日本学生記録となる2時間06分18秒で優勝。来年9月に開催される東京の世界選手権代表に大きく前進したが、「大学最後のシーズンは箱根駅伝のタイトルを絶対に取りたいので、まずは箱根に集中したい」と今季は國學院大の主将として、チームを引っ張ってきた。
「一戦必勝」を掲げた駅伝シーズンでもエースは大活躍。出雲は6区で駒大・篠原を突き放すと、全日本は7区で青学大・太田と激しいトップ争いを繰り広げて、2つのタイトルをもたらした。最後の箱根駅伝は5区候補にも挙がっていたが、2区にエントリーされた。
「國學院大に入学したのは前田監督の男泣きを見たのも理由です。箱根駅伝では前田監督の大号泣が見えるように、総合優勝を目指して全力で頑張ります」
「歴史を変える挑戦」にチャレンジしている國學院大。前田康弘監督は復路での〝逆転V〟をイメージしているが、主将・平林が往路でチームに火をつける。
前回2位、出雲2位、全日本2位と三大会連続の準優勝校である駒大のエー
ス、篠原倖太朗(4年)の走りも目が離せない。篠原も花の2区にエントリーされた。
箱根駅伝は2年時に3区で区間2位(日本人トップ)、前回が1区で区間賞。2年時は3月の丸亀国際ハーフマラソンで1時間00分11秒の日本人学生最高を打ち立てると、3年時は11月の八王子ロングディスタンス10000mで27分35秒05(日本人学生歴代5位) をマークした。
今季は主将として駒大を牽引して、9月27日に行われたYogibo Athletics Challenge Cup 2024の5000mでは13分15秒70(日本歴代10位、日本人学生歴代2位)の好タイムを叩き出している。このレースのダメージで10月の出雲駅伝は國學院大・平林とのアンカー勝負に敗れたが、全日本大学駅伝は熱望していた7区で快走を見せる。
篠原はトップ青学大と2分43秒の4位でスタート。当初の設定タイムは「51分10秒」だったが、追い風を受けて、10㎞を28分18秒で突っ込んだ。創価大を抜いて3位に浮上した後も見えない背中を必死で追いかける。青学大・太田と國學院大・平林だ。
ふたりに大きく近づくことはできなかったが、競り合って進んだ太田と平林のタイムを10秒上回る49分57秒で区間賞に輝いた。
「箱根は2区を意識しています。平林とは1勝1敗なので、どっちが強いか決めたいですね」と篠原。
駒大のエース&主将として、最終決戦で4大会ぶりの栄冠をつかみにいく。