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先発要望も却下された西武の平良が2025年の守護神に指名される
先発要望も却下された西武の平良が2025年の守護神に指名される

先発を志願して契約更改で揉めた西武の平良海馬に西口新監督が2025年のストッパーを任命した理由とは?

 2025シーズンの西武の守護神に平良海馬(25)が指名された。12月13日の契約更改でブルペン起用が正式決定した直後に、西口文也新監督(52)が「抑えでいく」と平良本人へ伝えた。プロ2年目の2019シーズンからブルペンでフル回転してきた平良は、2023シーズンに先発に転向。昨シーズンも引き続き先発を担うも、故障から復帰後は中継ぎに回った8年目の右腕へ、指揮官は「まず後ろをしっかり決めたかった」と全幅の信頼を寄せ、平良から逆算する形で、目標に掲げる「守りの野球」を体現する青写真を明かした。

 「信頼して任せられるのは平良」

 西口新監督にいっさいの迷いはなかった。
「本人にも抑えでいくと伝えました。9回は平良でいきます」
 12月31日までにメディアの取材に応じたなかで、昨シーズンまで3年間にわたって務めた西武の二軍監督から満を持す形で、初めて一軍の指揮を執る同監督は勝利の方程式を完結させる守護神に、平良を指名したと明らかにした。
 抑えを含めた西武のブルペンは再編成を余儀なくされていた。
昨シーズンの抑えを任され、リーグ2位の28セーブをあげたドミニカ共和国出身のアルバート・アブレイユ(29)は自由契約となって1年で退団。通算で194セーブ、109ホールドをあげたベテラン、増田達至(36)も12年間のプロ生活に別れを告げた。
 沖縄・八重山商工から2017年のドラフト4位で西武入りした平良は、2年目の2019シーズンから、セットアッパーを中心にブルペンでフル回転。増田が不調で登録を一時抹消された2021シーズンは20セーブ、21ホールドをマーク。61試合に登板した2022シーズンはリーグ最多の34ホールドで最優秀中継ぎ投手に輝いた。
 2023シーズンからは念願の先発へ転向。11勝7敗、防御率2.40の好成績を残すと、昨シーズンも開幕ローテーション入り。チームが不振にあえぐなかで、5度の登板中で4度のクオリティースタートを達成するなど。1勝2敗、防御率1.42と奮闘していたが、4月30日の日本ハム戦後に右前腕の張りを訴えて登録を抹消された。
 精密検査の結果は右腕浅指屈筋の肉離れの重傷で、戦線離脱を余儀なくされた期間は3カ月あまりにおよんだ。さらに「長いイニングを投げるのは難しい」という首脳陣の判断のもとで、復帰後は中継ぎへ再び配置転換。1イニング限定の形で、4度の連投を含めて8月以降の17試合に登板し、2勝9ホールドをあげている。
 先発のマウンドに立てばしっかりと試合を作り、一方でブルペンとしても終盤の勝ちパターンの一角をほぼ完璧に担う。そのなかで西口監督はなぜ平良に後者を、それもセットアッパーではなく抑えを任せると決めたのか。
 平良は12月3日に行われた最初の契約更改で、サインを保留している。2025シーズンの起用法に関して、引き続き中継ぎを打ち出した球団側と、先発への復帰を希望した平良の間の溝が埋まらなかったのが理由だった。

 

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