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青学大5区の若林宏樹(4年)が“山”で区間賞・区間新記録の快走で中大をかわし2年連続往路V(写真・アフロ)
青学大5区の若林宏樹(4年)が“山”で区間賞・区間新記録の快走で中大をかわし2年連続往路V(写真・アフロ)

箱根駅伝…本当に青学大の逃げ切りVに死角はないのか…原監督は「ピクニックランで帰ってきたい」と豪語も6区がポイントに

 6区に前回58分14秒(区間2位)の野村昭夢(4年)を配置。7区には10000m28 分21秒57を持つ白石光星(4年)、8区には前回区間賞の塩出翔太(3年)を登録している。補欠には主将・田中悠登(4年)も残っており、6区野村で後続を引き離すことができれば、7~10区は悠々と走ることができるだろう。
 1分47秒差を追いかける中大は6区に前回58分37秒の区間5位と好走した浦田優斗(4年)が入っている。順当なら経験豊富な阿部陽樹(4年)、日本人ルーキーで10000m最速タイム(28分08秒51)を持つ岡田開成(1年)の起用が濃厚だ。6、7区で青学大に急接近しないと逆転Vは難しいが、藤原正和駅伝監督は、「ピクニックランをさせないように、あらがっていきたい」と気合い十分だ。往路を見る限り、チームとしてのピーキングはバッチリ合っており、そのまま2位を独走する可能性は高い。

 3位の早大は前の中大と42秒差で、後ろの駒大とは47秒差。前回20位だった6区は未知数な部分があり、駒大、その後の創価大に追いつかれる不安がある。しかし、山崎一吹(2年)が登録された山下りをうまくしのげば面白い。8区に前回5位の伊福陽太、9区に10000m27分台の石塚陽士、10区に前回5位の菅野雄太というキャリア十分の4年生トリオを配置。補欠には主将・伊藤大志(4年)が残っており、トップスリーが見えてくるだろう。
 駒大は6区に前々回の同区を58分22秒で突っ走り、区間賞に輝いた伊藤蒼唯(3年)を登録。藤田敦史監督は、「6、7区で流れを変えたい」と話しており、スピードキングの佐藤圭汰(3年)が起用されるとしたら7区になるだろう。
 佐藤は「8割ぐらいは戻ってきている」(藤田監督)ようで、ポテンシャルが高い選手だけに、復路の序盤区間で2位の中大まで一気に近づくことができるかもしれない。
 往路5位の創価大も6区に前回58分15秒(区間3位)の川上翔太(2年)が控えている。山下りで勢いをつけて、3位争いに加わりたいところだ。
 そして國學院大だ。往路は6位。「1分30秒差なら逆転できる」と前田監督は読んでいたが、トップの青学大とは5分25秒という大差がついた。それでも「まずは復路優勝を目指します。その上で総合優勝もあきらめずに戦います。自分たちの力を出して、過去最高の3番を狙ったレースをしたい」と前を向いた。
 逆転Vは現実的ではないが、3位の早大とは2分56秒差。6区に嘉数純平(3年)が入っており、全日本で優勝ゴールに飛び込んだ上原琉翔(3年)と前回4区4位の辻原輝(2年)が補欠に残っている。未知数な6区で好スタートを切ることができれば、逆転でのトップスリーが期待できるかもしれない。
 またシード権(10位以内)争いも激烈だ。8位から14位までが2分01秒差しかいない。立教大、東洋大、日体大、東京国際大、中央学院大、順大、帝京大が激しいシード権争いを繰り広げるだろう。なお14位の帝京大までは時差スタートで、15位の山梨学院以降は復路繰り上げスタートとなる。
 順当なら青学大の連覇は濃厚だ。しかし、箱根駅伝は何が起こるかわからない。大手町のゴールまで注目していきたい。
(文責・酒井政人/スポーツライター)

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