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2026年にも実現の井上尚弥と中谷潤人の究極日本人対決へ期待が高まる(写真・山口裕朗)
2026年にも実現の井上尚弥と中谷潤人の究極日本人対決へ期待が高まる(写真・山口裕朗)

「井上尚弥と中谷潤人が戦えばどうなる?」2人と”ガチスパー”経験のパリ五輪代表の原田周大に聞いた究極の質問の答えは?

 拳を通じて2人を知る原田に無理を承知であえて比較をお願いした。
「井上さんはどんどん前へ前へと来る。それに対して、中谷さんは、ずっと動いて距離を外される。イメージで言えば、井上さんは前、中谷さんは後ろ。両者、それぞれ違うやりにくさがある。本当に甲乙つけられない」
 原田の証言は、試合の展開をイメージさせる。井上がプレスをかけ、サウスポーで身長とリーチのある中谷が距離を取りながら、アウトボクシングで対応するパターンだ。
 原田は「パンチの質も違う」と言う。
「中谷さんはストンとキレる。気にしているのはパンチの角度なんです。左のストレートも、真っすぐに見えて、ちょっと落とす、フック気味に打つ、など角度を変えてくる。日本人ボクサーにはない異質なパンチです。足腰が強いからあれができるんでしょうね」
 中谷は、減量苦から解放されたバンタム級に上げてから3連続KO中。適正階級になったことでパンチにキレが生まれ始めている。
 中谷のパンチがカミソリなら、井上のそれは爆弾だ。
「井上さんのパンチはドスンと強い衝撃で来るんです。ガードの上から打たれて倒れたボクサーもいましたよね?それもわかります。ガードの上からでもダメージがあるんです。とにかくもらいたくない(笑)」
 井上は現在9試合連続KO勝利中。WBO世界スーパーフライ級王者時代の2015年12月には、初防衛戦で指名挑戦者のワーリト・パレナス(フィリピン)のガードの上から右フックを叩き込んでダウンを奪い、衝撃を与えたことがある。
 モンスターの場合、繰り出すすべてのパンチがダメージブローになるのだから恐怖だ。パウンドフォーパウンドの評価を受けるのも当然だろう。
 ではスピードはどちらが優れているのか?
「わかりません(笑)。2人とも速すぎて、よくパンチが見えていないんで(笑)」
 スピードとパンチの出所がわかり辛いという点でも2人は共通しているという。
 原田は「どちらが勝つか?」との結論は出せなかった。
「大橋ジム所属としてロス五輪までサポートをしていただけることになったので、もし対決が本当に実現するとすれば、全力で井上さんを応援します。でも中谷さんにもずっとスパーリングをしていただいた恩もあります。一ファンとして楽しみとしか言いようがありません」とした上で、こう結末だけは予想した。
「いずれにしろKO決着になると思います。どちらがその日に強いか。それだけじゃないですか」
 2025年の初夢。モンスターとビッグバンの負けられない戦いが始まる。
(文責・本郷陽一/ROSNPO、スポーツタイムズ通信社)

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