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青学大の1年生アンカーの小河原陽琉が力走を見せて2年連続8度目の総合V(写真・アフロ)
青学大の1年生アンカーの小河原陽琉が力走を見せて2年連続8度目の総合V(写真・アフロ)

なぜ箱根駅伝の”超高速化”が続くのか?「理由は厚底シューズの進化だけじゃない 」2連連続V青学大の大会新記録更新に加えてシード権争いも激化

 第101回箱根駅伝の復路が3日、箱根町・芦屋湖~大手町の5区間、109.6kmコースで行われ、往路優勝の青学大が逃げ切り、2年連続8度目の総合優勝を飾った。優勝タイムは、昨年同大学が樹立した記録を6秒更新する10時間41分19秒の大会新記録。なぜ箱根駅伝の超高速化が続くのか?

 復路は駒大が5時間20分50秒の新記録

 往路に続いて復路も青学大が速かった。6区で野村昭夢(4年)が区間新記録で飛び出すと、8区の塩出翔太(3年)と10区の小河原陽琉(1年)も区間賞。青学大は10時間41分19秒の大会記録を樹立して堂々の連覇を果たしたのだ。
 青学大はこの11年で8度の総合優勝。
 原晋監督は中継した日本テレビのインタビューで、「すごいですね。ただ私もいろんな研究をし、学問的なことにも取り組んで、いわゆる〝原メソッド〟というものを作り上げましたけど、各大学も挑戦し、本当にメソッド対決に昨今はなっていると思うんですよね。そのなかで大会記録をどんどん更新しているなと感じますね」と話しており、各校が競り合うなかでタイムが上昇しているという見識を持っているようだ。
 青学大は総合記録を6秒更新したが、復路は駒大が従来の記録を46秒も短縮する5時間20分50秒の復路新記録を打ち立てた。
 さらに今大会はシード権争いも熾烈を極めた。10時間54分56秒で総合9位に入り、〝20年連続シード〟を確保した東洋大の酒井俊幸監督はこんなことを話していた。
「シード権のラインが高くなっています。誰かが区間賞の走りをしないと順位を上げることができません。安堵感はあるんですけど、シードを確保する大変さを感じましたね。どのチームも成長しているので(自分たちも)進化しなければいけないと感じるシード権争いになりました」
 実際、どれぐらいハイレベルだったのか。今回は11位の順大が10時間55分05秒。このタイムは過去3大会でいえば5位相当だが、それでもシード権に届かなかったことになる。
 この高速化の波はどこから来ているのか。年々レベルアップを重ねているが、近年では〝シューズ革命〟が大きい。2017年にナイキが投入したカーボンプレート搭載の厚底シューズだ。
 当時、魔法のシューズを履くだけで、「5㎞で10秒ほど違う」という声が強かった。実際、薄底シューズ時代の大会記録は10時間49分27秒(2015年)だったが、2020年大会で10時間45分23秒、2022年大会で10時間43分42秒、前回で10時間41分25秒まで短縮している。
 箱根駅伝のブランド別シューズシェア率は2018年大会からナイキがトップを独走。2021年大会では95.7%(210人中201人)に到達した。近年は他社もカーボンプレート搭載シューズを続々と開発。現在はナイキだけでなく、アディダス、アシックス、プーマ、オンなど様々なブランドのモデルを選手たちは履いている。

 

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