どうなる?2025年の日本ボクシング界…井上尚弥は米国再進出でピカソと戦い挑発し続けているWBA暫定王者とサウジで激突?!
続いて2月24日に有明アリーナでセットされたのが、その中谷の28戦無敗の同級6位ダビド・クエジャル(メキシコ)とのV3戦と、WBA世界同級王者、堤聖也(角海老宝石)対元WBC世界フライ級王者、比嘉大吾(志成)のダブル世界戦だ。この2試合は日本人4人が独占しているバンタム級王座の統一へ向けての布石となるマッチメーク。中谷が勝てば「話が早い」と言うIBF世界同級王者、西田凌佑(六島)との統一戦に前進。堤と比嘉の勝者は、このベルトのオプションを持つ前王者の井上拓真(大橋)の挑戦を受けることが濃厚となっている。
そしてその勝者が次に中谷―西田の勝者との3団体統一戦に進む可能性がある。指名試合の絡みがあって、スンナリと進まないのかもしれないが、いよいよバンタム級の統一戦線が大きく動く1年になることだけは間違いない。
「2.24・有明」では、WBOアジアパシフィック同級王者の那須川天心(帝拳)がボクシング転向6戦目で、格上の前WBO世界同級王者のジェイソン・マロニー(豪州)に挑むという興味深いカードが組まれた。ボクシング界には、まやかしの世界前哨戦が多々あるが、これは本物の世界前哨戦。マロニーは昨年5月6日に東京ドームで武居由樹(大橋)に判定で敗れてベルトを失っており、その武居をターゲットにしている天心にとって、結果も内容も比較されるテストマッチとなる。勝てば武居戦の機運は高まり、負ければ「遠のく」と天心も覚悟を決めている。
武居が右肩に全治4週間の怪我を負い、1月24日に予定していたV2戦が延期となったことで、2人の世界戦の実現時期に多少の影響は与えるだろう。それでも2人が無敗を守れば2025年中には話題性十分のビッグマッチが実現することになる。
天心は「いつか必ず運命ならやると思う」と口にしている。
3月にはWBC世界フライ級王者の寺地拳四朗(BMB)とWBA世界同級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)の統一戦の実現が予想される。当初は2.24有明の興行に組み込まれる予定だったが、注目のカードだけに3月のメガ興行に移動となった。
2人は昨年末から2度も一緒に駆り出される機会があり、互いにスポーツマンシップにのっとったエールを交換している。12月15日に大阪のリングで西日本ボクシング協会から特別功労賞の表彰を受け、揃って取材に対応。寺地が「なんか2人で会う機会が多いですね。多少、緊張感はあるが仲が悪いわけじゃない。でも試合になると切り替えますよ」と語り、阿久井も「そういうところ(統一戦へ)に仕向けられている感じですよね」と返すなど統一戦へ向けて臨戦態勢に入りつつある。