正解?的外れ?貧打解消がテーマのはずの西武が勝利方程式の補強に目を向ける理由とは…2m超えの大型セットアッパー候補ウィンゲンターを獲得
西口監督は、年明けに今季のストッパーに契約更改で先発転向を志願した平良を指名した。ウィンゲンターの役割は、その前の8回を任せるセットアッパー。すでにブルペン強化に、もう一人、三振率の高いエマヌエル・ラミレスを獲得しているが、ラミレスの昨季の年俸が、74万ドル(約1億1000万円)だったことから考えると、現状は、ウィンゲンターの方が格上扱いになるのだろう。
西口監督は、投手出身だけあって「守りの野球」をテーマに掲げている。チーム打率.212、同本塁打60、同打点334と、主要3部門がすべてがリーグワーストに終わった貧打の解消が急務だが、そちらはオリックスをリリースされたレアンドロ・セデーニョを補強しただけで、ブルペンの整備に目を向けた。
2人の新外国人が、額面通りに働いてくれれば、平良、ウィンゲンター、ラミレスの勝利方程式は強力だ。不安定な部分の多い得点力のアップよりも、最少得点を守りきる野球に目を向けたのは、長いペナントレースを考えると、最下位を脱出するためには、堅実なコンセプトなのかもしれない。
現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は、「打線ではなくブルペンの整備に力を入れた補強に賛否はあるのかもしれないが、その方針は間違っていないと思う。パ・リーグで守り勝つ野球は簡単ではないが、勝利方程式が確立すれば安定した戦いのできる可能性がある」と、今オフの西武の補強戦略を評価した。
西口監督は、この日、チームスローガン「ALL ONE」を発表した。
「これからライオンズがどうやって強くなっていかなくてはいけないのかを考えてこういうスローガンになりました。選手には、一人ひとり責任感を持って昨年の悔しさを胸に秘めて1年間戦って欲しいということを伝えていきたい」
力強い決意を口にしている。