ネットを駆け巡った浦和レッズのC・ロナウド獲得オファーの仰天情報はやはり荒唐無稽な話なのか…クラブに今必要な補強は?
浦和レッズの「2025シーズン新加入・復帰選手記者会見」が7日に埼玉スタジアムで行われ、MFマテウス・サヴィオ(27、前・柏レイソル)ら10人が一堂に会した。目標を19年ぶり2度目のリーグ優勝にすえた堀之内聖スポーツダイレクター(SD、45)は、同時に「まだ補強は終わっていません」とも明言。ネット上を騒がせたポルトガル代表のレジェンド、FWクリスティアーノ・ロナウド(39、アル・ナスル)へオファーを出したとする情報には「へぇー、という感じです」と苦笑する場面もあった。
クラブW杯限定の短期移籍?!
思わず表情が緩んだ。埼玉スタジアム内で行われた新加入・復帰選手記者会見。ネット上を駆け巡ったばかりの超スーパースター、ロナウドへ獲得オファーを出したとする情報への受け止めを、堀之内SDが問われた直後だった。
「私の口から補強に関して具体的な名前を出すことは差し控えたいですが、私もその記事は見ました」
昨シーズンが開幕した直後の4月に就任し、強化の最高責任者を務めてきた同SDは苦笑いを浮かべながら、さらにこんな言葉を紡いでいる。
「(報道は)周りから聞いたんですが、へぇー、という感じです」
ロナウドに対して日本のクラブが獲得オファーを出した、とする未確認情報がX(旧ツイッター)上を駆け巡ったのは日本時間の4日未明だった。
発信源は約57万人のフォロワーをもつ「@TeamCRonaldo」なる、ファンが運営しているとされるアカウント。ロナウドに関するさまざまな情報を発信および共有すると謳っている同アカウントは、冒頭で「緊急」と打ったポストでこう綴った。
「日本のクラブがクリスティアーノ・ロナウドに素晴らしいオファーを提示。このオファーには、高額な給与とクラブワールドカップへの参加が含まれている」
マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、ユベントスとヨーロッパのビッグクラブでプレーしてきたロナウドは、カタールW杯後の2022年12月にサウジアラビアのアル・ナスルへ電撃移籍。今年6月末に契約満了を迎える。
アル・ナスル側が2年間の契約延長を望んでいるとされるなかで、満了まで残り半年を切った年明けからは他のクラブとの交渉も解禁された。そのなかでFIFAクラブW杯に出場するJクラブがロナウドの獲得に動いたと同ポストは伝え、日本国内だけでなく韓国のメディアもポストを引用する形でこれを報じた。
今回で21回目を迎えるクラブW杯は、参加クラブ数が7から32へ大幅に拡大され、アメリカ国内の12のスタジアムで6月中旬から約1カ月にわたって開催される。アジアからは4クラブが出場するが、そのなかで日本勢はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022で優勝した浦和だけとなっている。
ゆえに日本のクラブ、イコール、浦和として記事が拡散された。もっとも、ロナウドの年俸総額は2億ユーロ(約326億8800万円)とされる。ポストが伝えた「高額な給与」を保証するのは、最新の数字となる2023年度の売上高でJクラブ最高の約103億8400万円を計上した浦和としても、現実的なものではないだろう。