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角田裕毅がシーズン途中にレッドブルへ昇格する可能性も残されている(Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅がシーズン途中にレッドブルへ昇格する可能性も残されている(Getty Images / Red Bull Content Pool)

2025年のF1界はどうなる?「レギュレーション変更前の最終年は大混戦に」チーム争いはフェラーリ本命もドライバーズ選手権は激戦必至…角田裕毅がレッドブルに途中昇格の可能性も

 

 2025年のF1で忘れてはならないのが、これから1年後の2026年に大きなレギュレーション変更が施行されるということだ。つまり、2025年は現行レギュレーション下で行われる最後のシーズンとなる。
 レギュレーションが変更された年は、勢力図が塗り替えられることが少なくない。パワーユニット元年となった2014年は、それまでのレッドブルに代わってメルセデスがF1を支配した。勢力図が変わったものの、新しいレギュレーションにしっかりと対応できたチームとそうでないチームの明暗が分かれる傾向にある。

 ハミルトンがフェラーリ移籍

 これに対して、その前年、つまりレギュレーション最終年は、勢力図が一変するようなシーズンにはならなかったものの、チーム間の差が小さくなり、激戦となることが少なくない。例えば、2014年の前年の2013年はシーズン後半にピレリが安全性を高めるために投入した新しいタイヤを味方につけたセバスチャン・ベッテルが9連勝してレッドブルが王者となったが、レッドブル以外にもフェラーリ、メルセデス、ロータスも前半戦で勝利を挙げ、混戦の模様を呈していた。
 2024年のF1が混戦となったのも、レギュレーションが無関係ではない。パワーユニットは2022年に凍結されており、2025年まではパフォーマンス面で大きな違いは起きない。さらに2022年に導入されたグラウンドエフェクトカーに関しても、3年目に入った2024年はレッドブル以外のチームも理解を深め、レッドブルに追いついたシーズンとなった。
 パワーユニットと車体製造に関するレギュレーションが大きく変わらない2025年が、マクラーレン、フェラーリ、レッドブル、メルセデスによるチャンピオンシップ争いが行われることは間違いない。
 それでは、この中からどのチームが勝ち抜くことができるのか。コンストラクターズ選手権の本命は2024年のシーズン後半に最速だったマクラーレンだろう。
 しかし、ドライバーズ選手権は不透明だ。それはマクラーレンには2024年にランキング2位となったランド・ノリスだけでなく、オスカー・ピアストリという勝てるドライバーがチームメートとして存在しているためだ。2024年にノリスが獲得したポイントは374点。これに対して、ピアストリは292点。マクラーレンが獲得した666点のうち、ノリスが獲得したポイントは約56%で、残りの約44%はピアストリが獲得している。
 つまり、ノリスが2024年に王者となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル/437点)を上回るには、2025年にマクラーレンとして780点以上を獲得する必要がある。だが、前述の通り、レギュレーション最終年というのは1チームが抜け出すことは難しいため、チームがどちらか一方のドライバーを優先するチームオーダーを発動しない限り、マクラーレンがドライバーズチャンピオンを獲得することはないだろう。
 同じことはフェラーリにも言える。これまでもフェラーリはチームオーダーを有効的に使うことができずにドライバーズ選手権で苦杯をなめてきた歴史がある。 
 2025年には7回王座を獲得したルイス・ハミルトンが移籍してくる。チーム内の競争は一層激しくなり、どちらか一方を優先させることは難しいだろう。

 

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