「え?」井上尚弥がまさかのグッドマンの2度目の直前負傷キャンセルに絶句…”日本人キラー”世界11位の韓国人ファイターを代替選手に防衛戦は予定通り実施
代替選手に抜擢したのは韓国のキム・イエジョン。グッドマン戦が実現してもリザーブファイトとして第1試合に出場を予定していたという。それでも探し始めたのが1か月前。「このタイミングなので、やってくれる選手はほとんどいない。すぐ手をあげてくれて、OKしてくれたのは彼だけだった」と大橋会長。
キムは25戦21勝(13KO)2敗2分けの戦績を持つWBO同級11位。過去にWBCユース同級王座、日本では非公認だが、WBAアジアや、IBFアジアの同級地域タイトルを保持しており、松本章宏(カシミ)、ストロング小林佑樹(六島)、小坂遼(真正)ら日本人7人を撃破してきた日本人キラー。練習拠点は、豪州でブリスベンで、現在、2月24日にWBOアジアパシフィックバンタム級王者の那須川天心(帝拳)と戦い前WBO世界バンタム級王者、ジェイソン・モロニー(豪州)のスパーリングパートナーを務めている。
ニックネームは「トラブルメーカー」。
大橋会長は「そこは嫌な予感がする」と苦笑いを受けベながらも「好戦的な韓国ファイター。韓国で凄い人気のあった選手で、韓国のファンも喜ぶ、監督のボクサーは10年以上世界戦をやっていないそうだしね。いい試合になればいい」と代替挑戦者について紹介した。韓国人ボクサーの特徴だが、インファイトでガンガン手を出してくるタフなファイターでカウンターに怖さも秘める。
大橋会長は、キムのコメントを代読した。
「井上尚弥選手がスーパーバンタム級に階級を上げてから、いつか戦う相手として常に想定して練習をしていた。昨年から練習を継続しており、いつでもリングに上がれる準備はできている。日本人に7戦7勝。この試合で自分の力をすべてを出し、キャリア最大の大一番を8勝目で飾りたい」
井上は韓国でスパー経験はあるそうだが、キャリアで韓国人ボクサーと対戦するのは初。井上には事前にリザーバーとしてキムを準備したことを伝えている。そのキムと戦うことになったことに「特に反応はなかった」という。
また大橋会長は、もう一人リザーブ選手を用意。「準備を万全にしたい」とさらなる不測の事態に備えていることも明かした。
今回は防衛戦は予定通り開催されることでチケットの払い戻しはない。グッドマン戦を見るためにチケットを購入した一部のファンからは不満の声も漏れているが、大橋会長は、こう説明した。
「グッドマン戦以上の試合を見せる?それしか言えないよね。井上は年末から正月返上で調整をしてきて、前座にもタイトルマッチが組まれている。選手の努力も無駄にしたくない。なんとか試合を成立させたかった」
キムはモンスターの相手としては物足りないが、ファンを納得させるファイトを見せなければならないというプレッシャーものしかかる。だが、プレッシャーは、井上の好物。グッドマン戦が、2度も流れたうっ憤を晴らす”凄いファイト”を見せてくれるのかもしれない。
(文責・本郷陽一/ROSNPO、スポーツタイムズ通信社)