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ロングスロー攻撃を封じた流経大柏が6大会ぶりの決勝進出(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
ロングスロー攻撃を封じた流経大柏が6大会ぶりの決勝進出(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

高校サッカー準決が国立をどよめかせた!なぜ流経大柏は東海大相模の超ロングスロー攻撃を封じて決勝進出を決めたのか?「セカンドボールの反応を徹底」

センターバックの奈須琉世(3年)は「確かに飛距離はすごかったけど、自分としてはそれほど驚かなかった」と戸川のロングスローをこう振り返る。
「ロングスローを武器にしているチームだから、他にも誰かしら投げられる選手がいるだろうと思っていたので。プレミアリーグを含めて、ロングスローを放ってくるチームが多かったので、投げる位置や投げ方などで味方のストーンの配置を換えるとか、いままでやってきた対策をすれば問題ないと思っていました」
 高校年代の最高峰の戦い、高円宮杯JFA・U-18プレミアリーグEASTで対戦した青森山田高やFC東京U-18などがロングスローを多用していたなかで、東海大相模にも慌てずに対処できた。加えてもうひとつ、このチームになって榎本監督からかけられるようになった、たとえるなら魔法のような言葉がある。指揮官が言う。
「全体的に非常に苦しい内容のゲームになりましたけど、そのなかで『最低の試合はしないように。最低限の試合をしよう』がひとつのテーマになりました。その意味でいえば、前半を無失点で終われたのが収穫だったと思っています」
 流経大柏を支え続けた合言葉は、昨夏のインターハイ出場を逃し、プレミアリーグでも内容のある試合をしながら結果が伴わなかった時期に、まずは最低限、相手をシャットアウトする試合からはじめよう、という思いとともに生まれた。
 泥臭く、ときには不格好でもいい。身体を張って自分たちのゴールを守り続ければ、必ず勝機を見出せる。準決勝までの4試合で16ゴールをあげた攻撃力が目立つ流経大柏だが、失点がわずか1という堅守も見逃せない。佐藤が2つ、戸川が6つを数えた東海大相模のロングスローからも、最後までチャンスを作らせなかった。
 再び国立競技場で13日に行われる決勝では前橋育英と対戦する。今シーズンのプレミアリーグではともに2-0のスコアで、1勝1敗の星を残している関東のライバル校へ、榎本監督も「望み通りというか、望んでいた相手です」と闘志をみなぎらせる。
「決着をつけたい、という思いが、選手たちもあるはずなので」
 両校は2017年度大会の決勝でも顔を合わせ、このときは前橋育英が1-0で勝利して悲願の初優勝を果たしている。流経大柏が17年ぶり、前橋育英が7年ぶりと、ともに2度目の優勝を目指す頂上決戦は14時5分にキックオフを迎える。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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