2度目キャンセルで井上尚弥を動揺させたグッドマンの代役の韓国人ボクサーは強いのか?「パッキャオ&メイウェザー」の異名を持ち日本人に7戦7勝も韓国ファンは「怪我しないで」と悲観論
英専門サイト「ボクシングニュース」も「キムはWBOで11番にランクされているが、WBC、WBA、IBFではトップ15の圏外。井上は彼の4つのタイトルを守るように見える。 ニックネームは”パッキャウェザー”で、メイウェザーとパッキャオという2人のレジェンドを自分自身のスタイルにしているようだが、ボクシング界で最も破壊的なフィニッシャーの一人であるモンスターに対してレベル的にステップアップの準備ができていることを示すものはほとんどない」との見解を示した。
また韓国のボクシングファンの反応も悲観的だ。
韓国メディア「FMコリア」が掲載した井上vsキム決定の記事に対する掲示板に投稿された意見を見ても「ミスマッチだ。キムには怪我をしないで欲しい」「キムに勝ち目はあるのか」「もし奇跡的に勝てばとんでもない番狂わせだ」などの声が多くを占めた。一方で「キムを代役に指名してくれた井上尚弥は本当にいいやつだ」など、低迷している韓国ボクシング界から挑戦者を指名した井上への感謝の意見も目立った。
井上は過去に韓国ファイターと対戦経験はない。大橋会長が韓国で行った興行の際に現地で韓国人ボクサーとスパー経験があるくらいだという。初体験する韓国特有のスタイルに戸惑いはあるのかもしれないが、得意の察知力で、力を見極めれば、早いラウンドで勝負はつくだろう。
それでもキムは大橋会長を通じてこうコメントを伝えた。
「井上尚弥選手がスーパーバンタム級に階級を上げてから、いつか戦う相手として常に想定して練習をしていた。昨年から練習を継続しており、いつでもリングに上がれる準備はできている。日本人に7戦7勝。この試合で自分の力をすべてを出し、キャリア最大の大一番を8勝目で飾りたい」
今回の防衛戦は予定通り開催されることでチケットの払い戻しはない。グッドマン戦を見るためにチケットを購入した一部のファンからは、不満の声も漏れている。大橋会長は事情をこう説明した。
「グッドマン戦以上の試合を見せる?それしか言えないよね。井上は年末から正月返上で調整をしてきて、前座にもタイトルマッチが組まれている。選手の努力も無駄にしたくない。なんとか試合を成立させたかった」
モンスターには勝利はもちろん「見に来て良かった」とファンを納得させるファイトを見せなければならない重圧がのしかかる。だが、重圧の数だけ力を発揮するのが、モンスターがパウンド・フォー・パウンドと評価されている理由のひとつ。右往左往した世界戦で伝説のファイトを見せてくれるのかもしれない。
(文責・本郷陽一/ROSNPO、スポーツタイムズ通信社)