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スペイン2部のエイバルでプレーしていたMF橋本拳人がFC東京に復帰した(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)
スペイン2部のエイバルでプレーしていたMF橋本拳人がFC東京に復帰した(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

「金で動いた」と批判された3年前の神戸移籍の裏事情とは…元日本代表MF橋本拳人が4年半ぶりにFC東京へ復帰した理由を語る

FC東京へ約4年半ぶりに復帰した元日本代表のMF橋本拳人(31、前エイバル)が14日、キャンプ地の沖縄・国頭からオンライン取材に応じ、移籍に至った経緯や新天地での抱負を語った。2020年夏にロシアのロストフへ移籍した橋本は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う混乱が生じた2022年3月にヴィッセル神戸へ移籍。当時のSNS上で「お金で動いた」などと批判された神戸入りの背景や、その後にウエスカ、エイバルとスペイン2部でプレーした間も抱き続けた古巣への思いも初めて明かした。

「試合に出られない状況で熱いオファー。相当な覚悟をもって帰ってた」

 懐かしさよりも真新しさ。約4年半ぶりにFC東京へ復帰した橋本が、旧知の選手が数えるほどしかいない陣容となった古巣で新たな一歩を踏み出した。
 スペイン2部のエイバルからの移籍加入が、電撃的に発表されたのが9日。日本へ帰国するスケジュールが合わず、10日に本拠地・味の素スタジアムで行われた新体制発表会に出席できなかった橋本は、13日に沖縄・国頭でキャンプを行っているチームへ合流。一夜明けた14日にオンライン取材に応じた。
「戻ってきたというよりも、何か新しいチームに来た感じですね。若手を中心に選手たちもたくさん入れ替わっていますし、監督も代わって、チームが新しいスタートを切るタイミングなので、僕自身もイチから競争があると思っています」
 昨シーズンまでアルビレックス新潟を率いた、松橋力蔵新監督(56)が就任したFC東京に抱いた第一印象をこう語った橋本は、今冬の移籍市場が開けてまもない移籍に「FC東京とは2年前くらいから話をしていました」とこう続けた。
「今シーズンはエイバルでプレーしていましたけど、なかなか試合に出られない状況で熱いオファーをもらい、相当な覚悟をもって帰ってきました。僕自身、FC東京を常に気にかけていましたし、そのなかで強化部の方々のタイトルをとりたいという思いや、自分を必要としてくれる思いを聞いて心を動かされました」
 中学生年代からFC東京のアカデミーで育った橋本は2020年夏に、ロシア1部のロストフへ完全移籍した。当時は27歳になる直前。年齢的にも海外クラブからのオファーはないだろうと、夢のひとつを封印しかけた矢先に受けた望外のオファーに心を動かされた橋本は、ロストフ移籍を決めた理由をこう語っている。
「僕が目指してきたワールドカップの舞台で活躍する自分の姿、という夢をあらためて考えたときに、もっと自分に厳しい環境に身を置きたい、もっとタフな選手になりたい、もっと自分のレベルを上げたいと思ったのが一番の理由でした」
 しかし、ヨーロッパでの挑戦は夢半ばで中断を余儀なくされた。
 ロシアがウクライナへの侵攻を開始した直後の2022年3月。国際サッカー連盟が緊急声明を発表し、ロシア、ウクライナ両国のクラブに所属する外国籍選手がフリーとなり、他国のクラブと一時的に契約できる特例措置が取られた。
 橋本が選択したのは、2021-22シーズンが残りわずかなヨーロッパではなく、シーズンが開幕したばかりの日本への帰国。しかし、移籍先が古巣のFC東京ではなく神戸だった点に、SNS上では「お金で動いた」などと心ないコメントが飛び交った。

 

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