「小久保監督の本音はキャッチャーじゃないか?」ソフトバンクは甲斐拓也の人的補償で巨人の小林誠司を指名するのか…指揮官の胸中を”先輩”の元ヤクルト編成部長が大胆に推測
ソフトバンクがFAで巨人に移籍した甲斐拓也(32)の人的補償で誰を指名するかが注目を集めている。小久保裕紀監督(53)は「リストは見ていない」と人選がフロント主導で進んでいることを明かしたが、先日、監督の地元である和歌山で開催された「優勝祝賀&激励会」で同席したソフトバンク前身の南海ホークスOBで和歌山県立星林高校の先輩になる元ヤクルト編成部長の松井優典氏(74)は「監督の本音はキャッチャーが欲しいのではないか」とその指揮官の”胸中”を推測した。
人選はフロント主導で小久保監督は「リストを見ていない」
ソフトバンクから巨人へFA移籍した甲斐の人的補償は一体誰になるのか。人的補償の人選を決定する期限は、公示日から40日以内。甲斐は巨人との契約締結が12月20日に公示されたため、1月29日がその期限だ。まだ日はあるが2月1日のキャンプインを考えるとできる限り人選は早い方がいい。
その人選に注目が集まる中、小久保監督が13日に地元の和歌山で行われた「優勝祝賀&激励会」に出席し、取材に駆けつけたメディアに対して、巨人から提出された「リストを見ていない」「近々ミーティングが開かれる予定なのでその際に意見を聞かれれば話すというスタンスでいる」などとコメントした。
その会に出席して挨拶も行った松井氏も、人的補償問題が気になり小久保監督に質問を投げかけたという。
「私にも報道陣の取材で話をしたのと同じ内容を話していました。『リストは見ていない。ウチは編成に関してはフロント主導が徹底されているんですよ』と。ただ『意見を聞かれれば現場の希望は言います』とも言っていました」
松井氏はホークス、星林高で小久保監督の先輩にあたり、”名将”故・野村克也氏の参謀として知られ、ヤクルトでは編成部長も務め、FAの人的補償にも関与したことがある。
松井氏は、小久保監督にある提案をしたという。
「私は”保険”という意味で、もしプロテクトリストから小林誠司が外れていれば獲るべきじゃないか、という意見を伝えました。海野隆司と谷川原健太といった捕手は、まだ経験が浅いでしょう。FAで横浜DeNAから2年前に来た嶺井博希は攻撃型の捕手で守備力には不安が残るだけに3人で143試合を回すのも厳しいと思うんです。一方の小林は、リード面を含めて捕手としての経験が豊富。昨季は菅野智之の相棒として非常に落ち着いてプレーをしていました。肩も強く、基本的な守備のスキルのレベルは高いです。そしてソフトバンクは優勝を宿命づけられているチーム。私は、会の挨拶でも話をしましたが、今季はリーグ連覇だけでなく日本一が期待されています。小林は、先のある選手ではありませんが、中途半端な選手を獲得するよりも、若手の育成への影響力も含めて指名するべきではないか、という話をしました」
松井氏の意見を小久保監督は黙って聞き「うちのフロントに伝えてみます」とだけ返答したという。