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イチロー氏が資格1年目で殿堂入りを果たしたが満票でなかったことに波紋(野球殿堂博物館のライブ映像より引用)
イチロー氏が資格1年目で殿堂入りを果たしたが満票でなかったことに波紋(野球殿堂博物館のライブ映像より引用)

「私もイチローには投票しない。26人の記者の考えも理解できる」満票での野球殿堂入りならず波紋を広げた問題に“殿堂先輩”の球界大御所が独自見解

 野球殿堂博物館は16日、東京ドーム内の同所で2025年度の殿堂入りを発表し、プレーヤー表彰でオリックス、マリナーズなどで日米通算4367安打をマークしたイチロー氏(51)、通算1002試合登板、407セーブの日本記録を持つ元中日の岩瀬仁紀氏(50)、指導者での功績などが加味されるエキスパート表彰では、阪神で2軍監督を務め、現役時代に本塁打王を3度獲得するなどした掛布雅之氏(69)が選ばれた。また特別表彰では審判員の富澤宏哉氏(93)が入った。SNSなどで波紋を広げたのはイチロー氏が満票ではなかった問題。26人の記者が投票しなかった。1992年に殿堂入りしている巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(92)が独自の見解を述べた。

 満票どころか得票率は歴代6位

 

イチロー氏の殿堂入りのゲストスピーカーを務めた王貞治氏が「イチロー君の場合、5年を待たなくても良かったんじゃないか」と「引退後5年」の殿堂入りの資格にジョークを交えて物言いをつけた。
 野球史に燦然と輝く日米通算4367安打を放ち、9年間プレーしたオリックスでは、史上初のシーズン200安打超えの最多安打記録の210安打をマークして、7年連続で首位打者を獲得。マリナーズに移籍すると、いきなり首位打者&盗塁王で日本人初のMVPを受賞し、2004年にはメジャーのシーズン最多安打記録である262安打を記録した。
 当然、殿堂史上初となる満票での殿堂入りが期待されたが、有効得票数349票のうち獲得したのは323票で得票率は92.6%。26人の記者がイチロー氏に投票しなかった。候補1年目の殿堂入りは史上7人目だが、得票率は97.3%でトップのヴィクトル・スタルヒン氏、三原脩氏、稲尾和久氏、若松勉氏、王貞治氏に次いで歴代6位だった。
 通知式に出席したイチロー氏は「日本で9年、アメリカで19年、選手としてプロ野球選手生活を過ごしました。にもかかわらず日本の野球殿堂へ迎え入れていただいたことに大変感謝を申し上げます」と感謝の意を伝えた。
 さらに「2019年の3月に東京ドーム、まさしくこの場所で、引退試合を終えてから5年間、あっという間でした。ファンの方々が作ってくれたあの瞬間を支えに引退後も野球に携わってきました。野球に対し、プロ野球に対し未練など後ろ向きな気持ちなくここまで過ごしてこられました」と続け、ユーモアを交えながら、列席者とのエピソードや、阪神・淡路大震災の記憶の伝承者となること、高校生など若い世代へのメッセージなど、素晴らしいスピーチを行い、最後に「いつかわからないが、動けなくなるまで野球に携わって力になりたい」と誓った。
 だが、SNSでは満票での殿堂入りでなかったことが大炎上となった。
「投票しなかった人がいたのは信じられない」「感情論で投票するな」「イチローでなければ誰が満票になるのか」など、投票しなかった26人の記者への批判の声が殺到した。
 イチローは日本時間の22日に発表される米野球殿堂入りも確実視されており、こちらもヤンキースの守護神だったマリアノ・リベラ以来となる満票での殿堂入りが期待されている。
 プレーヤー表彰の投票資格のあるのは、野球報道に関して15年以上の経験を持つ記者(約350人)で一人が候補者の中から7人まで列記できる。記名投票だが、誰が誰に入れたかは非公開。エキスパート表彰は、殿堂入り者にも投票権があるが、プレーヤーズ表彰は取材記者だけだ。
 殿堂入りでイチロー氏の先輩にあたる広岡氏は、「もし私が投票権を持っていればイチローには入れない」と、自らの見解を述べた。

 

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