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殿堂入りした元阪神の掛布雅之氏と元中日の岩瀬仁紀氏
殿堂入りした元阪神の掛布雅之氏と元中日の岩瀬仁紀氏

野球殿堂入り通知式で“ミスタータイガース”掛布雅之氏にイチロー氏が確かめた“都市伝説”とは何だったのか…世代を超えた2人の天才打者が交わした日本野球改革論

 掛布氏が、その背景を分析した上で、こう提言した。 
「僕らの時代と今の時代のバッターのどちらが凄いかと言えば、技術も含めて今の方が凄い。なのに抜けそうな打球が抜けず、内野の打球速度も遅い。投高打低になっている背景には、五輪種目に復帰することもあり、ゲーム時間の短縮を考えている中での動きだという話も聞いた。だが野球ファンからすると、やはり7点勝負をした方が熱く見れると思う。選手が変わるんじゃなく、野球を取り巻く環境を変える。もっとお客さんが喜ぶ野球になるように、ボールや、ストライクゾーンについて連盟が考えて取り組んでいくべきじゃないか」
 掛布氏は、さらに具体的に「飛ばないボールを使用するなら、メジャーの傾向のようにストライクゾーンを狭く」「飛ぶボールを使用するなら、投手が有利になるようにストライクゾーンを広げる」と提案をした。
 NPBは掛布氏の改革論を一考すべきだろう。
 最後に。
 掛布氏にひとつだけ聞きたいことがあった。
ーーもし今の時代にプレーをしていれば、イチロー氏のようにメジャー挑戦したかったのでしょうか?
「三塁手は打つ力がいる。メジャーでは僕は小さい。やってもイチロー君や大谷君のように長くトップではできないでしょう。でも挑戦はしたいね。どれくらいできたかわからないが、野球選手なら思うこと。全盛期の2、3年だけ短期でね。それならパワー差はあっても、技術でカバーができたと思う。当時、江川のボールはメジャー級だったからね。150キロ後半のボールもさばけたと思うね」
 掛布氏は「ただね」と、古き良き時代を振り返った。
「当時は、考えもしなかったことだよね。やはり王さん、長嶋さん、山本浩二さん…と身近に超えるべき人がいたんだよ。今はどうか。大谷のようにそうなるべき人がアメリカに行くという状況はあるのかもしれないけど、ちょっと見当たらない。そこが寂しいね」
 今年5月に70歳になる。
 金本監督に請われて2軍監督も経験したミスタータイガースは「子供達を笑顔にしたい。その気持ちを大切に新しい一歩を踏み出したい」と誓った。
 その子供たちの中から選手に憧れを抱かせるような未来のミスタータイガース、殿堂入りするような選手が出現するのかもしれない。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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