「最初から活躍を期待しているドジャースファンはガッカリするかも」佐々木朗希のド軍決定に米メディアは“侍ドジャース”誕生と喝采も一方で疑問と厳しい問題点を指摘
一方で同メディアは疑問点も指摘した。ひとつは、山本が25歳を超えるまで待ち、12年3億2500万ドル(約507億円)の大型契約を勝ち取ったにもかかわらず、なぜ佐々木は、契約金に制限がある23歳でメジャーに挑戦したのかという疑問。「これは入団会見で聞く価値のある質問だ」とした。
そしてそもそも千葉ロッテがポスティングを認めたことへの疑問。25歳を超えて山本のメジャー挑戦を認めたオリックスが5000万ドル(約78億円)以上の譲渡金を受け取ったのに比べて、今回千葉ロッテが得るポスティングフィーは2億5000万円ほど。同メディアは「日本の契約はMLBの契約とは大きく異なるため、佐々木が何らかのサイドアグリーメントを結び、どこかの時点で彼のポスティングを強制できたと考えれる」とロッテ入団時に密約があったのではないかとの疑問を呈した。
また「才能あるエリートではあるが完成品ではない」として投手としての問題点も指摘した。
「山本がMLBに来た時とは違うことを認識することが重要だ」とした上で、山本のオリックス時代のタイトルの数々を紹介。
「山本は5つの操れる球種(3つがプラス評価)を持っていたが、佐々木は基本的に90マイル台後半のストレートと、宇宙で最も厄介なスプリッターの2つの球種が武器である」と分析し、「この2つは素晴らしいが、2つしか球種のない投手が先発で成功することは滅多にない」と厳しく論じた。
ただ昨季はスライダーに進歩があったことは認め「ドジャースのコーチが彼にスライダーの練習を続けるように促すことはほぼ間違いないだろう」とした。
そしてルーキーイヤーから大活躍したパイレーツのポール・スキーンズが「スプリンカー」と呼ばれるスプリットとシンカーを合わせたような変化球、ナショナルズのスティーブン・ストラスバークも、宝刀のチェンジアップをメジャーに入ってから会得したことを付け加えた。
さらに「心配なのは起用法と健康」と問題提起した。
佐々木が、千葉ロッテ時代に基本的に中6日登板で、130イニング以上を投げたことがないことを紹介した上で「シーズンで160イニングを安定して投げられることは決してないし、ましてMLBのエースに期待される200イニングには及ばない」とまで断言した。
同メディアは「佐々木は超自然的な才能を持っているが、彼が最初から活躍することを期待しているファンはガッカリするかもしれない」とドジャースファンに過剰な期待をすることがないように警告している。