「票を入れなかった一人はマヌケだ!」1票足らず満票を逃したイチロー氏の殿堂入りの波紋収まらず…元ロッテ監督のバレンタイン氏らが痛烈批判…理由を探る分析記事も
米野球殿堂は21日(日本時間22日)、2025年度の殿堂入りメンバーを発表してマリナーズ、ヤンキース、マーリンズの3球団で19年プレーして米通算3089安打を放ったイチロー氏(51)が日本人として初めて選出された。だが、得票率は99.7%。わずか1票足らずに史上2人目、野手では初となる満票での殿堂入りはならなかった。イチロー氏に入れなかった記者は判明していないが、批判の声が殺到し波紋が広がっている。
投票しなかった一人は謎のまま
イチロー氏の殿堂入りが波紋を広げている。
資格1年目で日本人初の栄誉に輝いたが、だが、投票率は99.7%。投票権を持つ394人中393人の票を得たが、満票にわずか1票足らなかった。2019年のヤンキース守護神のマリアノ・リベラ氏以来、史上2人目、野手として初となる満票での選出はならなかった。
殿堂入りは、全米野球記者協会(BBWAA)に所属し、10年以上の取材歴を持つ記者の投票によって決定され、有効投票数の75%以上の得票で殿堂入りとなる。今回は、28人が候補者となったが、一人が最大10名までに投票できる。用紙にはすでに28人の名前が印刷されており、チェックマークを入れる方式だ。
米メディアや日米のSNSで批判が殺到しているのが、「イチロー氏に入れなかった一人は誰だ?」という問題。過去には2016年にマリナーズの“レジェンド”であるケン・グリフィーJr.氏が、440票のうち437票を獲得して当時の史上最高の得票率となる99.32%で殿堂入りを果たしたが、わずか3票で満票を逃した。2020年にはヤンキースのデレク・ジーター氏が、397票のうち396票の99.7%の得票率で殿堂入りしたが、イチロー氏と同じくたった一人が投票しなかった。投票は無記名。希望すれば公開されるが、グリフィー氏に入れなかった3人も、ジーター氏に入れなかった一人も、いまだに謎のままとなっている。
殿堂入りは、MLBネットワークの番組内で発表されたが、ベテランの野球アナウンサー、ボブ・コスタス氏は「(満票とならなかった)理由を1つでも見出すことができない」と不満を示し、元マリナーズの二塁手であるハロルド・レイノルズ氏は、「私は少し腹を立てている。99.7%だって?いい加減にしろ!だ」と怒りを隠さなかった。
敏腕で知られる記者たちも次から次へと怒りの声をあげた。
ニューヨークポスト紙のジョン・ヘイマン記者はXに「イチローは満票に1票足りなかった。どうか名乗り出てほしい。大バカめ!」と投稿。FOXスポーツのアナリストを務めるジャスティン・バーランダーの弟で、大谷翔平マニアで知られるベン・バーランダー氏も「出てきてほしい。誰がイチロー氏に投票しなかったのか。そしてなぜ?」と綴った。
ESPNのバスター・オルニー記者は「イチロー氏に投票しなかった人が、この判断にどんな明白な理由があるのか興味深いものになるだろう」などと書き込んだ。