「票を入れなかった一人はマヌケだ!」1票足らず満票を逃したイチロー氏の殿堂入りの波紋収まらず…元ロッテ監督のバレンタイン氏らが痛烈批判…理由を探る分析記事も
ロイヤルズなどで通算198本塁打、一塁手としてゴールドグラブ賞4度獲得しているエリック・ホズマー氏はXに一夜明けた22日に「イチロー氏に投票しなかった1人以外のすべてのみなさん、おはようございます」と皮肉をこめてコメントした。
そして元千葉ロッテの監督で2005年には“下剋上日本一”を成し遂げたボビー・バレンタイン氏はXで「イチロー、野球殿堂入りおめでとう。当然の殿堂入り。投票者の1人はマヌケだ」と入れなかった記者を痛烈に批判した。
バレンタイン氏は、1995年には、オリックス時代のイチロー氏と対峙し、イチロー氏がマリナーズに移籍して首位打者、盗塁王、新人王を獲得してMVPに輝いたメジャー1年目の2001年には、メッツの監督を務めていた。イチロー氏の凄さをライバルチームの監督として体感しているだけに、なおさら1票を投じなかった記者への怒りが増すのだろう。
CBSスポーツは「誰が票を入れなかったのか?票を入れなかったただ一人の人物は、匿名のままとなるかもしれない」との見出しを取った分析記事を掲載している。
「イチロー氏を投票から外すのが賢明と思った匿名の記者の理由を明らかにすることは不可能だ。もしかしたら、無知で重大な見落としだったかもしれない。もしかしたら投票者は、怠けたやり方で、イチロー氏の素晴らしいが、飛び抜けてはいないWARに問題を見つけて、他のすべてを無視して、簡単な逃げ道を選び、1回目の投票では、殿堂入りに値しないと判断したのだろう」
WARは、セイバーメトリクスによる打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の勝利貢献度を表す指標。大谷翔平のMVPレースの際にも基準の一つとして注目を浴びたデーターだ。算出方法によって若干数字は違うのだが「Baseball Reference」によると、イチロー氏のWARは「60.0」で歴代193位の数字に留まっている。ちなみにジーター氏は「71.3」で、グリフィー氏は「83.8」。高くはないが、イチロー氏よりは上だった。また満票を得たリベラは「56.3」で229位だったが、クローザーというポジションだけに、この数値は重要視されない。
イチローに入れなかった記者は、このWARを問題視したのだろうか。それとも単純にチェックミスをしたのだろうか。
CBSスポーツは「理由が何であれ、投票者が誰であれ関係ない。イチロー氏は、なるべくして殿堂入り選手となった。我々人間にとって全会一致で賛同できることなどまれにしかないものなのだ」と記事をまとめた。