「いつフェザー級に上がるかが問題だ」井上尚弥とアラムCEOが疑問に答えた…グッドマン代役キムとの4団体統一戦が認められた理由とWBAフェザー級王者との対戦可能性
緊急来日した共同プロモーターであるトップランク社のボブ・アラムCEOも、「急遽決まった試合では、度々アップセット(番狂わせ)が起きる。そのようなことはないと思うが、相手はタフなボクサー。いい試合なる」と評価していた。
キムは会見で豪語した。
「試合を楽に終わらせるつもりはない。最後まで戦う姿を見せるので期待してもらっていい。私のスタイルで戦いノックアウトするのが理想。なので井上選手も、1ラウンドから全力を尽くしてベストを見せて欲しい」
ニックネームは「トラブルメーカー」と「パッキャウェザー」の2つ。前者はリング上で対戦相手がパニックに陥ることからつけられ、後者は、元6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)のような怒涛の攻撃力と、無敗の元5階級制覇王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)のような上体が柔らかく反応のいいディフェンス力を兼ね備えているために命名された。
サウスポーにスイッチしてのアウトボクサーにも、韓国人特有の止まらない連打を浴びせてくるファイターにもなれる。
担当トレーナーのジョン・バスタブル氏は「ライオンとスパーリングをして来いと言った」というジョークを交え、パウンド・フォー・パウンドに挑むことがいかに困難かを示したが「キムは動きもいいしパワーもある。強い心を持って戦える」とも口にした。折れない心を持つタフさも売り。記憶を飛ばさない限りキャンバスには沈まないだろう。
井上もこう応戦した。
「1ラウンドから全力でと考えている。攻撃全面でいくのか、しっかりとボクシングIQを立てていくのか。しっかりと自分の作業をしていきたい。自分のボクシング、25年のキャリアの引き出しを信じて、最高のパフォーマンスを出したい」
ただ両者にはいかんともしがたい実力差がある。焦点は井上が何ラウンドで倒すかになるだろう。
井上にとって足踏みは絶対にできない試合である。
「(今年は)アメリカ、サウジアラビアと海外進出の年になってくる。明後日は大事な試合になる位置づけがある。リヤド・シーズンと契約をした。自分としても、あとのボクシングキャリアを加速させていきたい」