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井上尚弥と共同プロモーターであるトップランク社のボブ・アラムCEO(写真・山口裕朗)
井上尚弥と共同プロモーターであるトップランク社のボブ・アラムCEO(写真・山口裕朗)

「いつフェザー級に上がるかが問題だ」井上尚弥とアラムCEOが疑問に答えた…グッドマン代役キムとの4団体統一戦が認められた理由とWBAフェザー級王者との対戦可能性

 

 ボブ・アラムCEOも明かしたが、4月には米ラスベガスに再上陸し、WBC同級1位でIQの高いことで有名なメキシコのホープであるアラン・ピカソと対戦予定。 
 そして秋には昨年3年30億円の大型契約を結んだ「リヤド・シーズン」の興行としてサウジアラビアに進出する予定が組まれている。ここでの対戦相手は、挑発を続けてきたWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が有力だが、先日、同国娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官がWBA世界フェザー級王者であるニック・ボール(英国)とのドリームマッチプランをぶちあげた。
 これに対してアラムCEOは「それに関しては井上がいつフェザー級に上げるかが、問題だ。私はいつかを知らない。スーパーバンタム級にもたくさん選手がいる。フェザー級にもボールだけでなく、エスピノサ、レオもいる。たくさんの才能を持ったボクサーがいる」と、WBO世界同級王者、ラファエル・エスピノサ(メキシコ)、5月に亀田和毅(TMK)の挑戦を受けるIBF世界同級王者、アンジェロ・レオ(米国)の2人の名前を出して将来的な可能性を示唆した。
 井上は、来年にはWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)との究極日本人対決も計画されている。フェザー級転向はその後。キム戦を含めて4戦を戦った後だ。
 さらにアラムCEOは「井上はパッキャオより上」と最大級の賛辞を送った。
「パッキャオは素晴らしい伝説的なキャリアを積んできた選手だが、井上のキャリアの方がより伝説的だ。パキャオは飛び級したが、井上は無敗で丁寧に階級を上げてきた。比較の対象じゃない。個として違う。パッキャオは注意に欠いた試合をする。KOで負けることもあった。(ファン・マヌエル)マルケス戦もそうだった。勝ちにつながる回答のないまま終わることもあった。だが、井上は規律正しく正解となるパンチを繰り出すことができる。愚かなリスクは取らない。取っている時もあるが、それが正解になっている。スキルと、テクニックもある。パッキャオを落としているわけではなく井上が上だ」
 アラムCEOの演説を隣で聞いた井上は、どこかこそばゆそうだった。
「今隣で“そんなことはない”と思って聞いていた(笑)。引退したとき、殿堂入りできるように結果的に皆さんからそう思ってもらうボクサーになりたい」
 イチロー氏の野球殿堂入りが話題となったが、ボクシングにも殿堂がある。明日井上がまた伝説に向けての新たな1ページをめくることになる。
(文責・本郷陽一/RONPSO、スポーツタイムズ通信社)

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