井上尚弥が4回KOで韓国のキム・イエジュンを粉砕(写真・山口裕朗)
「屈辱的。代役を引き受けたことを後悔している」当日に過去最重量だった井上尚弥が「来い!」と余計な挑発をした韓国人キムを4回KOで粉砕し号泣させた理由とは?
井上に倒された後に再起したスティーブン・フルトン(米国)の挑戦を受けるWBC世界フェザー級王者のブランドン・フィゲロア(米国)、サウジ娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官が、ドリームマッチとしてぶちあげたWBA世界同級王者であるニック・ボール(英国)、共同プロモーターであるトップ・ランク社のボブ・アラムCEOが、名前を出したWBO世界同級王者、ラファエル・エスピノサ(メキシコ)、5月に亀田和毅(TMK)の挑戦を受けるIBF世界同級王者、アンジェロ・レオ(米国)らだ。
井上は思い描く未来像を聞かれてこう返した。
「描いているボクシング人生はまだわからない。この先どんなボクシングドラマが待っているかが想像できない。引退した時にどう感じるかを今大事にしながら、ボクシングをやっている」
過去のレジェンド達も到達したことのない次元へ向かおうとしているのだ。その先が、想像できないのも当然かもしれない。
この日、井上はせり上がる舞台から神々しく登場した。
グッドマン戦が中止となり、相手は無名のキムに代わり、払い戻しも受け付けられなかったが、そこから眺めた有明アリーナは満員のファンで埋まっていた。
「自分も今日どうなるか、不安の中でリングに上がった。見渡した景色は相手変更ににもかかわらず、多くのファンが足を運んでくれてうれしく思った。これでメインイベンターの責任を果たせたと凄く感じた」
誰もが井上を見にきていたのだ。その人知を超えた強さを…。
すべてを乗り越えたモンスターは、リング上から12枚のサイン入りTシャツを投げ込んだが、もっと大きな何かをファンの心へ届けたのかもしれない。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)