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井上尚弥の仰天プランが明らかになった(写真・山口裕朗)
井上尚弥の仰天プランが明らかになった(写真・山口裕朗)

「井上尚弥がキャリア後半にやるべきはファンが望む試合」なぜモンスターの仰天プランが具体化したのか…米上陸→サウジで因縁暫定王者→フェザー級転級→階級を再度戻して中谷潤人

 4月に米ラスベガスに再上陸し24歳で32戦無敗のメキシコのホープであるWBC世界同級1位ピカソとの指名試合。ピカソは「メキシコの東大」と言われるメキシコ国立自治大に医学部に在学のIQボクサー。大橋会長も「いい選手。医大生で凄い人気がある。超満員のアウエーで戦うのも楽しい。違う尚弥が見られる」と期待を寄せる。そして9月には3年30億円の超大型契約を結んだ「リヤド・シーズン」の初戦としてサウジアラビアに乗り込み、執拗に挑発を続けているWBA世界同級暫定王者のアフマダリエフを迎え討ち、その次に続けてサウジで、ついにフェザー級へ転級し、そのサウジの娯楽庁長官であるトゥルキ・アラルシク氏が、先日、ドリームマッチとしてぶちあげていたWBA世界フェザー級王者のニック・ボール(英国)へ挑戦する。21戦20勝(11KO)1分けと無敗を誇り、1m57とフェザー級にしては小さい体でガンガンぶつかっていく突貫小僧。「井上には穴がある」と豪語している。3月には、昨年9月に井上が粉砕したTJ・ドヘニー(アイルランド)と防衛戦を予定している。
 そして年を明けた2026年には、再びスーパーバンタム級に戻して2月24日に防衛戦のある中谷との究極の日本人マッチを戦うというのである。
 具体的な選手名をあげてファン待望のフェザー級転級を明言しただけでも驚きだが、さらにそこから階級を再び下げて中谷と戦う構想を打ち出したのには、会見中にメディアがざわついたほどだった。
 しかもそのアイデアは井上からの提案だったという。
「フェザー級で待っていても(中谷は)2階級上にはこれない。(井上に)フェザー級にいってから落とすという強い意思があった。そう思うのが凄い。上げて下げるができるなら、じゃあそうしよう、それで組むよと」と大橋会長。
 井上も「そこの不安はもう全くない。もしスーパーバンタムが本当にきつきつの階級であれば 大変なことだと思うが、そうではない。スーパーバンタム級に落とせる幅がある。タイミング次第だが、可能だ」と話した。
 ピカソに、執拗な対戦要求を続けているムロジョンを蹴散らせば、スーパーバンタム級に戦う相手はもういない。だからフェザー級への転級か?と聞くと、井上は「それもある」と、否定せずこう続けた。
「そのスケジュールで行ったとして、またスーパーバンタムに下げるというのはもう多分、みなさんは感じていると思うけど、そこにひとつの意味がある。そういう流れが来た時が楽しみ」と、具体的な名前こそ出せなかったが、スーパーバンタム級に、ただ一人残っている中谷潤人という強敵と戦うための異例のプランであることを示唆した。中谷戦後は再びフェザー級で強者たちに挑むことになる。
 そのためフェザー級王者のボールへの挑戦はスーパーバンタム級のベルトを保持したまま行いたい意向。日本では、前代未聞のプランだが、世界ではスーパースター達が成し遂げた例はある。

 

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