ドジャースが日本版公式ファンクラブ設立へ(写真・AP/アフロ)
ドジャースが日本版公式ファンクラブ設立へ(写真・AP/アフロ)

ドジャースが日本版公式ファンクラブを設立へ

ドジャースが日本に公式ファンクラブを設立することが26日(日本時間27日)に明らかになった。ドジャースの専門メディア「ドジャースネーション」が伝えたもの。大谷翔平(30)、山本由伸(26)に佐々木朗希(23)まで加わったドジャースが、世界戦略のひとつとして日本のマーケットに本格進出するようだ。

 佐々木朗希の加入と3月18、19日の東京ドームでの開幕戦が追い風

 あるようでなかった。
 ドジャースが公式ファンクラブを日本に設立する計画を明かした。ドジャース専門サイト「ドジャースネーション」が報じたもの。まだスタートの時期や、どういった特典のあるファンクラブになるのかなどの詳細は明らかになっていないが、ドジャースの社長兼CEOのスタン・カステン氏は、同サイトに「それはまだ始まっていないが、(日本に)ファンクラブを追加し、いくつかの実験的なことに取り組んでいる」とコメントしている。
 2024年には大谷がメジャー史を塗り替える「50‐50」を成し遂げてMVPを獲得する大活躍を見せ、山本もシーズン途中に故障で離脱したが、重要なポストシーズンでローテーを守り、ワールドシリーズ制覇に貢献した。ドジャースのほぼ全試合が、日本でライブ中継され、テレビのワイドショーやニュース番組は、朝から晩まで大谷とドジャース一色だった。 
 そこに千葉ロッテからポスティングでのメジャー移籍を希望していた佐々木が大争奪戦の末、ドジャースに加入した。日本時間23日の早朝に行われた入団会見の様子は、フジテレビを除く民放各社が情報番組の中でのライブ中継で伝えた。今後、デビュー戦も含めて注目を集めることは間違いない。2023年のWBCを制した侍ジャパンの中心メンバーが3人も揃ったことから「侍ドジャース」と表現する米メディアもあった。そして、今季ドジャースは3月18、19日に日本の東京ドームで今永昇太、鈴木誠也が所属するカブスを迎えて開幕戦を実施する。このタイミングで日本にドジャースがファンクラブを設立するのも当然の流れだろう。
 同サイトによると、メジャーリーグのチームで、過去に日本にファンクラブを設立しているチームはひとつもないという。
 サッカーの世界では、英プレミアリーグなどの一部のクラブが海外の各国にファンクラブを設立している。
 カステン社長は、「これはプレミアリーグやヨーロッパのサッカーリーグがすでに行っていることで、国際的なファンを集めています。私たちは、それを開始しどうなるかを見るためのパイロットプログラム(小規模なテスト)を行っています」と説明している。
 米経済紙「フォーブス」によると「2024年のドジャースは、大谷効果で日本を拠点とする12のスポンサーのパートナーを追加して計7000万ドル(約110億円)のスポンサー収入が増加した」という。 
 全日本空輸(ANA)、木下グループ、築地銀だこ、ソニー・ホンダモビリティの新ブランド「アフィーラ」、ヤクルト本社、機械製品メーカーのTHK、化粧品メーカーのコーセー、100均で知られるダイソー(大創産業)、興和、日本管財センター、TOYO TIREなどの企業だが、各種のデータが取れる日本でのファンクラブ設立は、ドジャースの日本のマーケットに本格進出するための足がかりともなり、それらのスポンサー取得にさらなるプラス効果を生む可能性もあるだろう。
 NPB球団のファンクラブでは、入会時に各種の限定グッズがもらえ、チケットの優先取得や、会員限定のイベントなど、様々な特典が用意されている。ドジャースのファンクラブが、どんな特典を用意するのか、また年間の会費の設定をいくらにするのかなども興味深い。
 前出の「ドジャースネーション」は、「そのファンクラブにすでにドジャースを追いかけている日本国内の多くの人々が集まることは間違いない。ドジャースのファンクラブが日本に設立されることは、MLBの海外展開のもう一つの動きだ」という見方をしている。

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