
「井岡さん。やりたいっす」なぜ3.13両国でユーリとの2団体統一戦に挑む拳四朗は元4階級制覇王者との夢対決を熱望したのか…“フライ級世界最強統一戦トーナメント”を勝ち抜くのは誰だ?
なぜ4団体統一ではなく井岡なのか。
「より強い人がいるのかなと。スーパーフライってなると、井岡さん、バムの名前がぱっと出てくる。(オラスクアガ、京口とは)一回やっているからというのもある」
拳四朗はライトフライ級王者時代に京口だけでなく、オラスクアガも激闘の末、9回TKOに沈めた。井岡、そして前々から対戦を熱望しているリング誌のパウンド・フォー・パウンドランキングの6位に入っているジェシー“バム”ロドリゲス(米国)の名もあげた。
拳四朗の練習拠点でマネジメントもサポートしている三迫ジムの三迫貴志会長がこうフォローした。
「井岡は、延期になった試合でまず王者に返り咲いてくれないとね。一度やって決着のついている相手よりも、階級最強の男がよりモチベーション、話題性が上がる。ライトフライ級では、相手のキャンセルなどもあって、なかなか(統一戦などが)できなかったジレンマがあった。負けた方々にはリベンジ(したい思い)はあるんでしょうがね」
3団体統一戦よりも井岡の名前が口をついて出たのは、そういうことだ。まだフライ級に転向したばかりで、さらにスーパーフライ級に上げて、フィジカルが追いつくのか?という不安があるが、拳四朗は「やってみないとわからないが、大丈夫な気がする」との手応えがあり、加藤トレーナーも「スパーの感じでは、スーパーフライ級までは適応できる」と、3階級への挑戦にも太鼓判を押した。ただ三迫会長が説明するように、井岡は、延期となったマルティネスとの世界戦を3月か4月に予定しており、そこでの王座奪回が大前提となる。
「フライ級に上げたことで選択肢が増えてきた」と三迫会長も言うが、これらの構想もユーリという王者を倒さねば、絵に描いた餅で終わる。
拳四朗陣営はユーリの「前に出てくるプレスへの対策」(加藤トレーナー)としてスパー相手に元WBC世界フライ級王者で、2月24日にWBA世界バンタム級王者の堤聖也(角海老宝石)への挑戦を控える比嘉大吾(志成)を指名する考えだという。3.13両国での“フライ級世界最強トーナメント”にどんなドラマが待ち受けているのだろうか。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)