古橋亨梧が移籍デビュー前の仏レンヌで激震…サンパオリ監督が就任わずか2か月で解任濃厚の理由と日本代表FWへの影響は?
日本代表FW古橋亨梧(30)が移籍したばかりの仏リーグアンのレンヌが、ホルヘ・サンパオリ監督(64)を解任したと仏メディアなどが30日に一斉に報じた。昨年11月の就任後も公式戦で3勝7敗とレンヌを立て直せず、リーグドゥへの自動降格圏に迫る16位へ順位を下げた責任をわずか2か月で問われた。サンパオリ監督が期待を寄せていた古橋が、スコットランドのセルティックから加入した直後に起こったドタバタ劇は、待望のヨーロッパ5大リーグ挑戦を果たす点取り屋にも影響を及ぼす可能性もある。
「アルゼンチン出身監督は思い描いたアイデアを実現できぬまま去る」
3年半所属したスコットランドのセルティックから、仏リーグアンのレンヌへの移籍が決まってからわずか3日。ヨーロッパ5大リーグでのデビューを目前に控え、胸を躍らせているはずの古橋の目の前で、想定外のドタバタ劇が起こった。
クラブ側からの公式発表を待たずして、レンヌがサンパオリ監督を解任したニュースが仏メディアを駆け巡った。一連の報道の口火を切ったスポーツ紙『L’EQUIPE』は、レンヌが見せた慌ただしい動きを次のように伝えている。
「アルゼンチン出身のサンパオリ監督は、思い描いていたアイデアをほとんど実現できないまま、就任からわずか2カ月あまりでレンヌを去る」
開幕から黒星が先行し、苦戦を強いられていたレンヌは昨年11月に地元出身のジュリアン・ステファン監督(44)を解任。チリ代表や母国アルゼンチン代表、セビージャやマルセイユなどを率いた経験をもつサンパオリ監督に再建を託した。
しかし、チームは上向きに転じるどころか、サンパオリ監督就任後のリーグ戦で2勝6敗と状況はさらに悪化する。特に今年に入ってからは、リーグドゥのトロワに0-1で苦杯をなめたカップ戦のクープ・ド・フランスのラウンド32を含めて、公式戦で白星なしの5連敗を喫するドロ沼にはまり込んでいた。
19試合を終えて5勝2分け12敗と、借金7を抱えるリーグ戦では18チーム中で16位と、リーグドゥとの入れ替えプレーオフ圏内にまで順位を下げた。自動降格圏の17位のモンペリエにも勝ち点差2ポイントと肉迫された状況を受けて、レンヌ側は今シーズンで2度目の指揮官交代に踏み切らざるをえなくなった。
別の仏メディアの『RMC Sport』は、黒星が続くなかでサンパオリ監督と選手やコーチ陣、さらに強化部側との間で不協和音が生じていたと報じた。
「ここ数週間、サンパオリ監督と一部の選手の間に緊張関係が生じていただけでなく、コーチ陣とも意見の不一致が見られていた。さらにサンパオリ監督は、選手獲得に関して自身の意見が考慮されていない、という不信感も募らせていた」
指揮官の希望が反映された補強が、古橋の獲得となるだろうか。2027年6月末までの2年半契約で、移籍金1200万ユーロ(約19億4300万円)で加入した古橋は、交渉の進ちょく次第では25日のモナコ戦に出場できる可能性があった。実際、サンパオリ監督も「間に合ってくれれば」とラブコールを送っていた。
しかし、セットで交渉が行われていた、ポルトガル出身のFWジョタ(25)のセルティック移籍決定が週明けにずれ込んだため、古橋の正式サインも遅れた。救世主の期待をかけていた日本代表FWの登録が間に合わなかった陣容で臨み、必死に食い下がるも2-3で敗れたモナコ戦がサンパオリ監督のラストゲームになった。
サンパオリ氏の解任がアルゼンチンやブラジル、チリなどゆかりのある国でも次々と報じられたなかで、後任監督の名前もすでに各メディアで先行報道されている。