屈辱的評価?!英メディアがクリスタル・パレス移籍の鎌田大地を“ワースト新戦力”に選出「退場処分を受けた試合を除いて結果を何も残していない」
しかし、昨年8月に開幕した今シーズンで、鎌田はなかなかインパクトを伴った爪痕を残せない。いいパフォーマンスを見せたとしても次の試合へ持続できず、それでも先発で起用される試合が多かった軌跡を描いてきたなかで、ホームのセルハースト・パークにフラムを迎えた昨年11月9日の一戦で状況が大きく変わった。
シャドーの一角で先発した鎌田は、1点を追う後半31分に相手選手へ足をあげる危険なレイトタックルを見舞って一発退場を宣告され、チームも0-2で完敗した。チームの専門サイト『WE ARE PALACE』は「またしても期待外れのパフォーマンス」と鎌田を酷評し、リーグから科された3試合の出場停止処分をこう受け止めていた。
「敬意を表して言う。カマダの不在はグラスナーの大きなダメージにはならない、と」
日本人選手として、プレミアリーグで初めて一発レッドカードをもらったフラム戦が、現時点でもっとも印象に残っていると先述の『Football 365』は位置づけ、これがクリスタル・パレスのワースト新加入選手となる決め手にもなった。
一度失われた信頼を取り戻すのは容易ではない。出場停止処分が明けた後は途中出場が多くなった鎌田は、直近のリーグ戦となった2日のマンチェスター・ユナイテッド戦で、今年に入って2度目の先発を果たしている。
しかし、敵地オールド・トラフォードに乗り込んだ一戦は、0-0で迎えた後半16分に両チームを通じて最初の交代カードが切られ、鎌田に代わってイングランド代表エベレチ・エゼ(26)が投入された。試合は鎌田交代から3分後の19分、44分にゴールを決めたクリスタル・パレスが2-0で快勝した。
今年に入ってリーグ戦で3勝1分け1敗と上向きに転じ、マンチェスター・ユナイテッドと入れ替わる形で12位へ順位をあげたクリスタル・パレスの快勝を、英メディアの『THE LONDON STANDARD』は「敵地のピッチで、選手たちは誇れるパフォーマンスを見せた」と称えながら、こんな言葉をつけ加えている。
「しかし、カマダは別だ。60分をすぎた時点で実力不足のカマダがベンチへ下げられ、代わりにエゼが投入されたグラスナー監督の采配には誰も驚かなかった。むしろカマダはファーストタッチの悪さと、プレー全体におけるエネルギーレベルの低さで、グラスナー監督にフラストレーションを溜め込ませた。われわれはサイドラインで戦況を見つめるグラスナー監督が、何度も首を横に振る姿を目撃している」
今シーズンのクリスタル・パレスの戦いは、リーグ戦の24試合と4回戦に進出しているFAカップだけとなっている。プレミアリーグ全体の新加入選手で、開幕前の「期待の10人」から「クリスタル・パレスのワースト」へと立場を急降下させた鎌田にとって、再び序列をあげるために残された時間はそれほど多くはない。