![中日の金丸夢斗が2度目のブルペンで40球を投げ込むも実戦デビュー計画は白紙(写真・黒田史夫)](https://d3d3uiz760e42m.cloudfront.net/wp-content/uploads/2025/02/DSCF5221-1200x800.jpg)
中日“黄金ルーキー”金丸夢斗の実戦デビュー計画はまだ白紙も落合2軍監督は「直すところがない投手。自滅することがない」と絶賛
ピッチングを視察した関係者の中に阪神の竹内孝行・球団副本部長の姿もあった。阪神も1位指名したが、藤川球児監督がクジ引きで、井上一樹監督に敗れた。金丸は、竹内副本部長の関大野球部の後輩。キャンプ視察と、陣中見舞いも兼ねた訪問だったそうだが、「まだまだこんなもんじゃない。今日は4割程度でしょう」と、ライバルチームのルーキーに警戒心を強めた。
ブルペンにいた中日OBの一人も舌を巻いた。
「やっぱりモノが違う。腕の振りに、力感はないが、ボールが伸びる。打者はタイミングが取りづらいと思う。大学時代のベスト時の映像を見たが、とんでもない投球をしていた。開幕に間に合うかどうかはわからないが、小笠原が抜けた中で、ローテーに左腕の金丸が加わることの意味は大きいと思う」
期待は高まるばかりだが、厳密にはまだリハビリメニュー。関大時代に痛めた腰の回復を含めて慎重に調整に時間をかけている。
落合2軍監督は、「こちらが指示するのではなく、リハビリのスタッフがメニューを組んでいる。(段階が)下がっていることはなく順調。今はメニューを消化できていることが大事で、体への反動を見て問題なければ次のステップにいける。怪我をさせないのがコーチの仕事」と明かす。
だからあえて、フリー打撃、シート打撃、実戦登板がいつになるのかなどの開幕を想定しての具体的なスケジュールは組んでいない。
「それを決めちゃうと焦る。草加も、暖かい沖縄でバッターに投げるところまでいけばいいが言わないようにしている」
トミー・ジョン手術をした昨年のドラフト1位の草加勝(亜細亜大)も同じ扱い。
現段階で実戦デビュー日程は白紙。
リハビリスタッフから「もう何をやっても大丈夫です」とのGOサインが出て初めて正式な2軍扱いとなり、そこから対打者の実戦段階に進むという。
本人も「焦るな、と(自分に)言い聞かせている。たくさんの人に見てもらうので、力みもあまり出さないように意識している」とはやる気持ちを抑えている。
「今後も強度を上げて、2月のどこかで、しっかりとブルペンに入って捕手を座らせて投げる計画はある」
プロの慣れないキャンプで、「思ったより疲れている。しっかりとタイムを計るランメニューなど大学よりきつい」というが、大学時代は、午前0時くらいだった就寝時間を午後10時くらいに繰り上げて、5時30分の起床まで、たっぷりと睡眠時間を確保して、疲労回復を心がけている。
「疲労をどれだけ次の日に残さないかも大事。そこも意識しながら、自分をレベルアップして追い込みたい」
おそらく開幕には間に合わないだろう。井上監督も、金丸を開幕ローテー構想には入れていない。金丸はチームの宝。重要なのは、目先よりもその先の野球人生。ただ、シーズンに遅れて参戦しても間違いなくチームにインパクトを与える新戦力ではある。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)