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サガン鳥栖が不倫トラブルを起こしたMF福田晃斗との契約を解除した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
サガン鳥栖が不倫トラブルを起こしたMF福田晃斗との契約を解除した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

不倫トラブルでサガン鳥栖の福田晃斗が契約解除…同様の問題で処分無しの西武の源田壮亮との“違い”はなぜ起きた?

 この間、西武は、あくまでも家庭内の問題というスタンスを貫き、源田への処分を科さなかった。双方合意のもととはいえ、鳥栖側との協議を重ね、最終的には契約解除処分を受け入れた福田のケースとの大きな違いはなぜ起きたのか。
 その答えはJリーグ規約のなかにあるのかもしれない。
 第1章「総則」の第3条では「遵守義務」が定められ、すべてのJリーグ関係者に対して「Jリーグの目的達成を妨げる行為およびJリーグの信用を毀損する行為を行ってはならない」と規定。さらに「Jリーグ関係者は、法律、命令、条例等を遵守し、社会的規範を尊重して行動しなければならない」と求めている。
 いうまでもなく関係者には選手も含まれる。Jリーグでは2020年秋に、選手による酒気帯び運転や交際女性への暴力行為が発覚し、契約解除に至った不祥事が立て続けに起こった。非常事態を受けて、当時の村井満チェアマン(65、現・日本バドミントン協会会長)は全クラブに対して、コンプライアンスの遵守をあらためて徹底させている。
「一人の選手、ひとつのクラブがリーグ全体、すべてのクラブの努力を水泡に帰してしまうくらい大きな社会的な背任行為だと考えている。われわれの存在が社会の迷惑であるならば、Jリーグそのものが存在する意味はない。スポーツを通じて地域の手本になるという、もっとも大事な理念を忘れていたのではないか」
 当時の悲痛な訴えは、いまもなお受け継がれている。福田の女性を巡る度重なるトラブルはJリーグの信用を毀損する行為であり、社会的規範に背く点で児童や青少年へ悪影響を与えかねない。だからこそ、鳥栖は公式HPで「コンプライアンスの遵守とガバナンスの徹底に全力で努める」と今後の方針を明記した。
 またJリーグのクラブは、プロ野球の球団と違い、経営がスポンサーに頼る部分が大きい。選手の失態は、スポンサーのブランドイメージにさえ影響を及ぼす。不倫トラブルを起こした選手を野放しにしていれば、スポンサーが離れ、経営に打撃を与える危険性もある。対する西武は、ドームにネーミングライツなどは行っているが、基本的には、大スポンサーが経営基盤になっているわけではない。そのサッカー界と、プロ野球の経営ビジネスの違いも処分の違いにつながったのだろう。
 福田との契約解除は、クラブの公式X(旧ツイッター)でも報告された。鳥栖史上で歴代8位タイとなる、J1通算197試合に出場した福田のキャリアに感謝しながらも、処分はやむなしとするコメントが数多く寄せられている。
「自業自得としか言いようが無い」
「スポンサーの事を考えると良い判断したと思います」
「サッカー選手というよりも1人の人間として許されないと思う」
「不倫は個人と家族の問題だけど、どっから金貰ってんのかを考えないとね」
 自身のインスタグラムで一時は現役引退も考えたと明かした福田は、SNS上で激励された恩返しとして、どんな形でもサッカーを続けると綴っている。もっとも、2度にわたって女性とのトラブルが報じられ、名前も知れわたった状況を受けて、SNS上では「日本国内でプレーするのは難しいのでは」と指摘する声もあがっている。

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