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6日遅れでキャンプインした中日の中田翔が大減量に成功した(写真・黒田史夫)
6日遅れでキャンプインした中日の中田翔が大減量に成功した(写真・黒田史夫)

「今のままじゃ後何年も野球はできないぞ」中日・中田翔の15キロ大減量の仕掛け人は井上監督だった…ただ「4番・一塁を彼に空けておく気はない」と“4番サバイバル”を通告

 

 “4番サバイバル”を宣言した。
 確かに4番候補は中田一人ではない。現役ドラフトで横浜DeNAから移籍して以来、2年続けて結果を残した細川成也、怪我に苦しみながらもポテンシャルを持つ石川昂弥、そして新外国人のボスラーがいる。
 ボスラーは、4月以降、ほぼ戦力にならなかった中田と共に、最下位脱出のカギを握る重要な新戦力だ。昨季のチーム防御率は2.99でリーグ4位だったが、チーム得点の373は、リーグワースト。いかに点を取るかが重要なポイントとなっている。
 立浪前監督時代は、ビシエドの成績が下降線をたどり、メジャー通算41本塁打のアキーノが、わずか1本塁打と戦力にならず、それほど期待をかけていなかったディカーソンも打率.205、3本塁打に終わり、カリステがかろうじて生き残っただけ。 外国人はまったくプラス戦力になってくれなかった。
 ボスラーは、昨季はマリナーズ傘下の3Aのタコマでプレー。119試合に出場して打率.303、31本塁打、110打点をマークしている。バリバリのメジャーリーガーではないが、マイナーでは、5年連続で二桁本塁打を放ち、マイナー通算162本塁打を誇る。マリナーズの最終年の年俸は74万ドル(約1億1000万円)だったことを考えると、推定年俸は1億円を突破しているだろう。
 実はこのボスラーは複数の候補の中から井上監督が選んだ。
「候補はたくさんいたが、チームバランスを考えると、中田翔、石川昂弥、細川成也、福永裕基と右打者は揃っているので、まず左打者。そして優先したのはコンタクト率のいい打者。どうしても三振だけはやめてくれという場面で、ぶりぶりいって、わがままなスイングをして三振して帰ってくるような打者はいらない。そこでセカンドゴロを打てば、1点入っていたじゃんというところで、最低限、セカンドゴロを打てる打者が欲しかった」
 一塁、三塁、外野と複数ポジションが守れることも頼もしい。
 ただキャンプのフリー打撃だけでは「まだわかりません」と井上監督もその評価は先送りしている。
「打撃練習で『凄いね』というバッターが公式戦に入ると全然だったりする。逆に『しょぼいな』というバッターがよかったりもするからね。実戦でどんなコンタクト能力を見せてくれるか。『野球脳が凄い』と、思わせてくれれば外す理由はない。ただ彼はなじもうと努力している真面目な選手。期待はしています」
 日本の投手の繊細な配球と、ボールゾーンの使い方にいかに対応できるか。それを井上監督は「野球脳」という言葉で表現した。
 大減量で復活にかける中田と新外国人のボスラー。最下位からの逆襲に、なくてはならない戦力である。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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