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厳しい量刑を言い渡された水原被告は無言を貫いた(写真・AP/アフロ)
厳しい量刑を言い渡された水原被告は無言を貫いた(写真・AP/アフロ)

「大谷翔平から数百万円のチップとポルシェ」判事が「信じられない」と断じた水原一平被告の「生活困窮」の“ウソ”…情状酌量は認めず禁錮4年9か月で3月24日までに刑務所収監へ

 ドジャースの大谷翔平(30)の銀行口座から約1700万ドル(約26億円)をだまし取った銀行詐欺罪などの罪を認めていた元専属通訳水原一平被告(40)の量刑言い渡しが6日(日本時間7日)、米カリフォルニア州の連邦地裁で行われ、検察側の求刑通り禁錮4年9か月と大谷への1700万ドル(約26億円)の賠償命令が下された。同被告は「生活困窮」と「ギャンブル依存症」を理由に情状酌量を求めていたが、判事は「信用できない」と認めなかった。また大谷も被害者陳述書を提出していたがその内容は公開されなかった。同被告は3月24日までに刑務所に収監される。

 約26億円の賠償能力は不明

水原被告に厳しい判決が待っていた。
 米スポーツサイト「ジ・アスレチック」やロサンゼルスタイムズ紙など複数のメディアが報じた内容によると、ジョン・W・ホルコム判事は、検察の求刑通りに禁錮4年9か月と、大谷の銀行口座から違法スポーツ賭博の胴元に不正送金した約1700万ドル(約26億円)と同等の約1700万ドル(約26億円)を大谷に賠償すること、また内国歳入庁(IRS)へ100万ドル(約1億5100万円)を支払うことを命じた。
 水原被告は、エンゼルス時代の専属通訳の年俸が、当初は8万ドル(約1200万円)で、その後25万ドル(約3800万円)に増え、大谷がドジャースに移籍すると50万ドル(約7600万円)になったことを書面で伝え、「24時間対応してきたにもかかわらず著しい低賃金で生活が困窮していた」「ギャンブル依存症になった」などを理由に禁錮1年6か月が妥当だと情状酌量を求めていた。
 だが、判事は「虚偽や故意に省いた内容の陳述で埋められていた。私は信用していない」と認めず、「窃盗した1700万ドル(約26億円)は、私の見地からして衝撃的な額の多さ。1700万ドル(約26億円)は大抵の人々の生涯賃金よりも多い」と断じた。
 判事は、水原被告が大谷から定期的に5桁(数万ドル=数百万円)のチップを贈られ、水原被告の妻へのポルシェのプレゼント、加えて夫妻のファーストクラスの飛行機代、住まいの賃貸料なども負担してもらっていたことを指摘。
 さらに大谷の口座から最初に4万ドル(約604万円)を盗んだ時に、彼の個人口座に3万4000ドル(約513万円)以上が残っていた事実や、スポーツ賭博で儲けた際には、その勝ち分を継続的に着服していたことなどを問題視し「生活が困窮していた」という水原被告の主張を“ウソ”と断じた。
 また大谷は、被害者陳述書を提出していたが、その内容は公開されず、大谷自身も法廷に姿を見せなかった。
 今後、水原被告が約1700万ドル(約26億円)もの賠償を大谷に対して行うことができるのか、という支払い能力の問題は残っている。
 判事は、「水原被告がこの金額を返済できることを願っています」と語ったものの、返済が実際に可能かどうかについては「現時点では不明です」としている。

 

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