Jリーグ14日開幕！英高級紙「2006年生まれの最高の60人」に選ばれたガンバ大阪の18歳“超大型ルーキー”名和田我空は鮮烈デビューを飾れるか？

　14日に開幕するJリーグの直前イベントが10日に都内のホテルで開催され、各チームのキャプテンや主力にまじってガンバ大阪のルーキー、18歳のMF名和田我空（なわた・がく）が登壇した。鹿児島県の強豪・神村学園で1年時から活躍し、国内に加えて海外からも注目された名和田は、ガンバで踏み出すプロでの第一歩に向けて「自分の選択を正解にしなければいけない」と明言。セレッソ大阪との開幕戦（14日・パナソニックスタジアム吹田）へ「一発、大仕事をしたい」と意気込んだ。

　1年目の目標は「2桁得点」出世ナンバー「38」を背負う

　緊張している感じではない。もちろん物怖じしている様子もない。
キャプテンや主力など、チームの“顔”を担う選手がユニフォーム姿で集う開幕直前イベント。ガンバを代表して登壇した名和田は、注目してほしいポイントとして「得点」と色紙に書き込み、大胆不敵にもこう明言した。
「得点に関われるのが自分の強み。1年目ですけど、2桁得点を狙っています」
　まだプロの舞台でデビューを果たしていない、高校卒業を直前にひかえたルーキーが登壇するのは、恒例と化しているイベントでも極めて異例。心境を問われた名和田は「チームを代表して来られるのは本当に光栄です」と笑顔を浮かべた。
「こういった場をきっかけにして、（他チームの）いろいろな選手とも交流できる。いい機会を与えてもらったと思っています」
　身長169cm体重63kgと決してサイズに恵まれているわけではない。しかし、それらを補ってあまりある得点感覚とテクニックをいかんなく発揮し、鹿児島県の強豪・神村学園では1年時から「10番」を託された。
　2023年秋にインドネシアで開催されたFIFA・U-17W杯では、U-17スペイン代表とのラウンド16で一時は同点に追いつくゴールを一閃。試合には敗れたものの、鮮烈な印象を与えた名和田は、英紙『The Guardian』が選出する「2006年生まれの最高のサッカー選手60人」に日本からただ一人、名を連ねた。
　同紙は当時の名和田のコメントを伝えている。
「U-17代表で満足するわけにはいかない。僕の目標はフル代表入りです」
　同大会のグループリーグで、日本の全4ゴールをあげたFW高岡伶颯（17、れんと）は宮崎・日章学園高からJリーグを飛び越えて、英プレミアリーグのサウサンプトンへの加入を決めた。神村学園からはFW福田師王（20、ボルシアMG）や吉永夢希（18、ゲンク）と先輩たちが直接ヨーロッパへ渡っている。
　もちろん名和田にも海外のクラブが興味を示した。国内クラブを加えた争奪戦が繰り広げられたなかで、ガンバを選んだ名和田は「海外で活躍したい、という思いはいまも変わっていません」と自らの選択をこう振り返った。
「高卒1年目から海外へ行く選手の選択も間違いじゃないと思うし、自分もこの選択を正解にしなければいけない、という思いがある。まずはしっかりと体を作り、技術も含めてすべてを底上げして、世界の舞台で活躍する選手になりたい」
　急がば回れ、を実践するホープへ、ガンバも背番号を介してエールを送った。
　名和田の背番号「38」は、日本代表で活躍するMF堂安律（26、フライブルク）とMF中村敬斗（24、スタッド・ランス）がルーキーイヤーに背負った“出世ナンバー”。クラブ側から提案され、名和田自身も実は意識していたと明かす「38番」の先に広がる世界を、期待のルーキーはこう語った。