
Jリーグ14日開幕!英高級紙「2006年生まれの最高の60人」に選ばれたガンバ大阪の18歳“超大型ルーキー”名和田我空は鮮烈デビューを飾れるか?
「堂安さんや中村さんのように自分も世界へ羽ばたいていきたいし、それ以上の活躍をしたい、とも思っている。そういう選手を超える選手が出てきたと周囲から言われたいし、プロ1年目ですけど、海外の選手は18歳からトップで活躍している選手も多いので、自分も負けないようにしていきたい」
とはいえ、高校を卒業してすぐに大活躍できるほど、J1リーグの舞台は甘くはない。33年目を迎える歴史を振り返っても、FW城彰二、MF中田英寿、MF小野伸二、DF内田篤人、そして青森山田から2022シーズンにFC東京入りした現役のMF松木玖生(21、現ギョズテペ)ら数えるほどしかいない。
それでも、キャンプを通じて手応えは深まったと名和田は言う。
「開幕が近づくにつれてピリピリした雰囲気というか、いよいよ始まると身が引き締まってきたなかで、自分自身にも大きなチャンスが来たと感じている。昨シーズンのガンバは得点がちょっと少ないと言われていたので、少しでも自分が改善できれば。1年目という縛りにくくられないように、相手チームの脅威になっていきたい」
スペイン出身のダニエル・ポヤトス監督(46)のもと、昨シーズンのガンバは4位に入った。もっとも総得点49は20チームのなかで10位タイに甘んじ、最多だったサンフレッチェ広島の同72に大きく引き離されていた。
総失点35は2番目に少なかっただけに、昨シーズンから得点力が上向けば、その分だけ上位が近づいてくる。基本布陣の<4-2-3-1>で、2列目のどこでもプレーできる名和田がガンバで放つ存在感は、すでに大きくなっているといっていい。
日の丸に目を向ければ、高岡らはU-20日本代表に招集され、今秋のFIFA・U-20W杯出場をかけた、AFC・U-20アジアカップ(中国)を目前に控えている。名和田がU-20代表で選外となり、さらにルーキーながら開幕イベントに抜擢された点からも、シーズンを占う開幕直後の戦いで必要とされているからだろう。
その第一歩として14日の金曜日夜に1試合だけ行われる、ホームのパナソニックスタジアム吹田に宿敵セレッソを迎える開幕戦へ。名和田は「一発、大仕事をしたい」と大阪ダービーへ意気込みながら、こんな言葉を残している。
「もちろん自分も(中国へ)行きたかった気持ちがあるし、悔しさも感じている。それでもワールドカップ出場につなげてくれると信じているし、自分がJリーグで活躍すれば、そういう世界の舞台も広がってくると思っている。U-20代表だけでなく、その上のカテゴリーにもどんどん選ばれる選手になれるように頑張りたい」
自分にプレッシャーをかける意味でも、名和田は「2桁得点」と臆さずに公言した。過去に十代で2桁ゴールを達成した選手は1994シーズンに12ゴールをマークした城と、2021シーズンに10ゴールをあげたMF荒木遼太郎(23、鹿島アントラーズ)だけ。気の早い話になるが、名和田が目標を成就させれば史上3人目の快挙となる。
(文責・藤江直人/スポーツライター)