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巨人入りしたライデル・マルティネスの交渉舞台裏が明らかになった(写真:CTK Photo/アフロ)
巨人入りしたライデル・マルティネスの交渉舞台裏が明らかになった(写真:CTK Photo/アフロ)

キューバ交渉舞台裏の新常識とウソ…巨人はライデル・マルティネスの獲得に60億円以上をかけて直接交渉で口説き落としていた

 巨人がライデル・マルティネス(28)の契約に60億円以上の巨額資金をかけていたことがキューバ情報に詳しい関係者の話で明らかになった。これまでキューバ選手との交渉は、政府が窓口となり仲介に入るとされていたが、すでにその形態は変化しており、巨人は絶対守護神を直接、口説き落としたという。

 キューバ政府には年俸とは別に譲渡金を支払う

 ライデル・マルティネスの交渉裏舞台での新事実が発覚した。
 実は、これまでキューバ選手との交渉には、キューバ政府と野球連盟が窓口となり、仲介に入るとされていた。だが、選手側からの不満が噴出したことから、数年前から政府が交渉には立ち入らず、球団と本人が直接交渉する形態に変わっていた。ただ代理人を入れると、うまくそそのかされ、ゆくゆくは亡命する危険性が高まるため、代理人をつけることは許されていない。
 昔ながらの本人との直接交渉である。本人が決め、キューバ政府、野球連盟には事後報告という形になる。もちろんいくら出すかの金額が最優先されるのだろうが、条件が、そう変わらないのであれば、球団の環境も含め、本人の情に訴える“泣き落とし”も可能な状況だったのだ。
 中日は、井上新監督が自ら出馬して、マルティネスと食事をしながら、残留を訴えたそうだが、これも本格交渉のひとつだったわけだ。
 南米選手の情報に強い全米野球記者協会所属のフランシス・ロメロ記者によると、マルティネスの争奪戦に参戦したのは、巨人、中日、横浜DeNA、ソフトバンクの4球団。それぞれが、マルティネスと直接交渉を行った。
 そして最終的にマルティネスは巨人を選んだ。巨人が直接口説き落とすことに成功したのだ。誠意と情熱が伝わったのだろうが、やはり最終的な決め手は、中日、横浜DeNA、ソフトバンクを圧倒する条件の提示だったとみられる。
 前出のロメロ記者は、Xで巨人との契約が、1年あたり812万5000ドル(約12億3500万円)で、4年総額3250万ドル(約49億4000万円)であることを伝えたが、中日、横浜DeNAも、1年10億円の破格のオファーを行っていた。
 キューバ情報に詳しい関係者は、「1億、2億円の違いであれば、安定した生活基盤があり、本人が気に入っている中日残留を選択しただろう。巨人を選んだ理由は、優勝争いのできるチームであるという新たなモチベーションと、中日の情が通じないほどの条件だったと思う。年俸だけで総額60億円は超えているでしょう」と推測した。
 実際、マルティネスは育成契約から8年間在籍した中日に対して「居心地がいいチーム。できれば出たくないが…」との希望を口にしていた。
 出たくなかったマルティネスの許容範囲を超えるほどのオファーが巨人からあったのだろう。

 

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