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巨漢トレーナーの"圧"に対抗するトレーニングをする那須川天心(写真・山口裕朗)
巨漢トレーナーの"圧"に対抗するトレーニングをする那須川天心(写真・山口裕朗)

那須川天心が「すべてを失うし全部をもっていける勝負」の前世界王者モロニー戦の”必勝”シミュレーションを披露…WBO王者の武居由樹とのビッグマッチ実現への最終テスト

 公開スパーで見せたシミュレーション通りのボクシングを進めれば、天心はポイントでモロニーに圧勝するだろう。天心はモロニーの経験と対策を警戒しているが、武居との戦いを見る限り、サウスポーが苦手で、距離を取られると極端に手数が減る。スピードとパンチの多彩さは、天心は武居より上。
 なおのことモロニーに反撃の機会を与えないだろう。だが、それだけでは昨年5月6日に東京ドームでモロニーに12ラウンドで判定勝利した武居との比較論で「天心の方が強い」の声はあがらない。あと一歩高いレベルまで踏み込んでKOを狙う必要がある。この日の公開スパーでは、パーフェクトに相手の攻撃を封じたわけではなかった。3ラウンド目には、不用意に右をもらうシーンもあった。相手が武居を最終回にグロッキー寸前に追いつめたモロニーであれば、嫌な展開に変わる危険性もある。武居との明確な違いを見せつけ、秋にも実現するとされているビッグバウトへの気運を高めるには、そのリスクを冒して倒しにいく必要がある。
 天心は、この試合を武居戦実現の最終テストとして位置づけている。
「そこまで(次は武居との世界戦と)言われる位置にきた。この試合は、ボクシング界の中でも、格闘界の中でも、勝負がある試合。戦いがあるなと自分でも思う。この一戦ですべて失うことにもなるし、全部を持っていけることになる」
さらに天心は、こう続けた。
「ここで勝つか、負けるかは、自分だけじゃなく今後の日本のボクシング界がさらに盛り上がるか、盛り上がらないかがかかっている。業界を盛り上げてこそ、プロだし一流。そこの戦いにもなる」
 スーパーバンタム級の4団体統一王者である井上尚弥(大橋)が、ボクシング界に大きなムーブメントを作り出した。今求められているのは次なるスター。WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)ら候補はいるが、天心は「世間的に暗いニュースが多いが、世の中にヒーローがいない。明るくしたい」と自らに重責を負わせる。
 SNSや交流を通じて天心を取り巻くファンの「声」に変化があるという。こんなエピソードを明かした。

 

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