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巨漢トレーナーの"圧"に対抗するトレーニングをする那須川天心(写真・山口裕朗)
巨漢トレーナーの"圧"に対抗するトレーニングをする那須川天心(写真・山口裕朗)

那須川天心が「すべてを失うし全部をもっていける勝負」の前世界王者モロニー戦の”必勝”シミュレーションを披露…WBO王者の武居由樹とのビッグマッチ実現への最終テスト

「高校には、ボクシング部が結構あるらしいですね。僕の試合を見て、ボクシングをやろうと部に入った子がいると知った。誰かのきっかけになっていることが、うれしいし、ボクシングをやる理由が増えた」
 また中高校生世代だけではなく、“おじさん世代”からも「新聞で見たよ」と声をかけられることが増えた。キックボクシングや総合格闘技「RIZIN」は一般紙は取り扱わず記録すら載らない。だが、伝統と歴史があり、世界的な統括組織が整備されているボクシングは、一般紙が取り上げる。天心はボクシングの持つ力を実感しているのかもしれない。
 天心の会見を見守るかのように壁には、この1月に99歳で逝去した帝拳の名マネージャー長野ハルさんの遺影が掲げられていた。
 長野さんは、ボクシングと添い遂げて、生涯独身を貫いたが、孫のような天心を可愛がっていた。
「君はいつもニコニコしているね。そのままでいなさいよ」
その言葉が心に残る。
「いつも気にかけてくれた。腑に落ちることしか言われていない」
 その長野さんから、口酸っぱく送られたアドバイスが「前の手」と「ステップ」。特に「前の手」に関しては「いろんな種類を使いなさい」と言われた。奇しくも、天心が今回のモロニー戦に掲げたテーマと重なっている。
「(長野さんが)ずっと見てくれている。勝ち続けるしかない。あまり(世界)ベルトとか興味がなかったが、取る理由が増えた。必ず取りたいと思う」
 ボクシング転向6戦目。
 天心が「こういう試合をしたかった」という試合のゴングが近づいている。

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