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井上尚弥の年収64億円は本当か…米専門サイト「Sportico」が「2024年に最も稼いだアスリート100人」発表…日本人は3人でトップは大谷翔平の110億円
米スポーツのビジネス専門サイト「Sportico」が「世界で最も稼いだアスリート100人」のリストを発表した。2024年の推定年収をランキング化したもので、日本人で入ったのは3人。トップはドジャースの大谷翔平(30)で21位、山本由伸(25)が29位、そしてプロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(30、大橋)が81位に入った。井上の年収はファイトマネーとスポンサー収入を合わせて4200万ドル(約64億円)と発表されたのだが、その数字の信憑性は?
世界一はクリロナの395億円
スポーツビジネスに特化した米専門サイト「Sportico」が2024年の「世界で最も稼いだアスリート100人」のリストを発表した。年俸やファイトマネーとスポンサー収入に分けて表にされており、トップは、サウジアラビアのアル・ナスルFCでプレーしているサッカー界のスーパースターのクリスティアーノ・ロナウドの2億6000万ドル(約395億円)。2位が、NBAのゴールデンステート・ウォリアーズに所属するステフィン・カリーの1億5380万ドル(約234億円)で3位にボクシング界から、元WBC世界ヘビー級王者で引退を表明したばかりのタイソン・フューリー(英国)が1億4700万ドル(約223億円)で入った。日本からランキング入りしたのは3人だけ。
トップは昨季ドジャースで「50‐50」を達成しMVPに輝いた大谷の7250万ドル(約110億円)で21位。打ち分けは年俸が250万ドル(約3億8000万円)でスポンサー収入が7000万ドル(約106億円)とされている。大谷はFAでドジャースと10年7億ドル(約1064億円)のメジャー最大の契約を結んだが、チームの補強に影響が出ないように、異例の後払い契約を結んでおり、年俸が安く抑えられて、年俸よりもスポンサー収入が多いという形になった。本来であれば200億円以上でトップ5に食い込んでいることになる。また12年3億2500万ドル(約494億円)の契約でオリックスからポスティングでドジャースに入団した山本も6100万円ドル(約92億7000万円)で29位に入っている。
そして注目は4200万ドル(約64億円)で日本人3人目として81位にランキングされた井上だろう。打ち分けはファイトマネーが3500万ドル(約53億円)でスポンサー収入が700万ドル(約10億6000万円)。世界のボクシング界でトップ100に名を連ねたのは6人だけ。フューリーと井上以外には、7位にフューリーと2度対戦して共に判定勝利したヘビー級の3団体統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)が入り1億2200万ドル(約185億円)、スーパーミドル級の3団体統一王のサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)が7300万ドル(約111億円)で20位、そして、ヘビー級のアンソニー・ジョシュア(英国)が6000万ドル(約91億円)で30位に入った。またユーチューバーで、ヘビー級のレジェンドのマイク・タイソン(米国)との注目マッチで荒稼ぎしたジェイク・ポール(米国)も4800万ドル(約73億円)で52位にランクインしている。
では、井上の約64億円は、本当なのか。
この日、都内で行われた「フェニックスバトル」の発表会見に出席した大橋秀行会長は、イエスともノーとも答えず「夢がありますね」とだけコメントした。ただ「海外のこういう数字っていい加減なものが多いからねえ」とも付け加えた。
2024年に井上が戦ったのは2試合。5月に東京ドームで元2階級制覇王者の”悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)とのビッグマッチを制すると、9月に元IBF世界同級王者のTJ・ドヘニー(アイルランド)を撃破した。12月24日に予定されていたサム・グッドマン(豪州)との指名試合は、グッドマンが来日直前に左目上をカットして延期になった。この2試合のファイトマネーだけで、合わせて3500万ドル(約53億円)はありえない数字だ。