
賛否呼んだ「くじ引き」決着の真相…西日本ボクシング協会長選に敗れた亀田興毅氏を直撃取材…「なぜ2期6年の実績がある山下正人氏と同数の支持を集めたと思いますか?」
「くじ引きに関しては、和毅も含めていろんな感じ方はありますよね。都内のあるジムの会長さんから連絡があり“今の時代にくじ引きですか?”と言っていました。他にも2人の出馬なら決戦投票の意味はないが、3人以上が出馬して同数の場合は決戦投票を取り入れるべきではないかという意見の会長さんもいました。昔は決戦投票をやったことがあるとも聞きました。協会員の方が、“クジ引きはダメだ”と声をあげることは可能なんでしょう。でも今回はそれがないので規約通りに進めたということ。ただ曖昧な点があるのであれば、今後はそういうところもしっかり見直す必要はあるのかもしれませんね」
これが亀田氏の本音だろう。
3期目の会長を務める山下氏は、今後の規約の見直しについては「規約を変えるには、協会の総会で皆さんの意見を聞いた上で、手順を踏んで決めなければならない。個人的には、もう選挙をやらずに協議で決める形が模索できないものかとも考えていますが、議論は必要でしょうね」という話をしていた。
次の改選は3年後。その時、41歳となる亀田氏は再出馬するのだろうか。
「そのときどうなっているかわからない、未来はわからない。そのときは、そのときの風が吹くんじゃないですか」
明言は避けたが、今回の出馬で得たものは多かったという。
「いい勉強になりました。選挙を通じてボクシング界のなかで仲間が増えた。それは財産です。現役時代のボクシングの勝ち負けの責任は、ほとんど自分。でも今回の選挙は、周りの力がなければ無理でした。誰が僕に入れてくれたかわかりませんが、結果的にはドローだけど責任の重さが全然違います。終わったからといって、協会とは関係ありませんではダメ。その責任感を持って、みんなで連携していかないとよくならないと思っています」
ただ前出の重鎮的存在の会長はこう言った。
「ここから3年、亀田がプロモーターとしてどういう活動をしていくのかを見極めていかなくてならない。選挙の時だけ、いいことを並べていただけかもしれん。彼の今後の姿を西日本の60を超えるジムの会長は見ていますよ」
筆者も同意見。これは3選を果たした山下氏にも言えることだが、重要なのは“今後”の姿である。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)