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中日の井上監督はバンテリンドームの選手食堂に炊飯器を戻す考え(写真・黒田史夫)
中日の井上監督はバンテリンドームの選手食堂に炊飯器を戻す考え(写真・黒田史夫)

中日で再び「令和の米騒動」は起きるのか…「やらないが一理ある」井上監督はSNSで批判を浴びた立浪前監督時代の選手食堂から炊飯器撤去の方針をどうするのか?

 中日の井上一樹監督(53)の沖縄・北谷キャンプでの独占インタビューの第4弾は、選手の食事についての意見を聞いた。立浪和義前監督(55)時代には、炊飯器を選手食堂から撤去し「令和の米騒動」とSNSでバッシングを受けた。井上監督はどうするのか。

 現役時代は苦手なバナナを

 

 政府が備蓄米を放出して価格高騰の続いている「令和の米騒動」対策に動き出したことが世の中の大きな話題となっている。だが、中日ではもう2年も前に「令和の米騒動」が起きていた。立浪監督が、バンテリンドームの選手食堂から炊飯器を撤去することを指示し、「試合前に白米を食べることができずに選手が困っている」という内容の記事を夕刊フジが「令和の米騒動」として報道したのだ。
 チームが最下位に低迷していたこともあってSNSなどでは、その立浪監督の厳しい管理体制が「時代錯誤」「やり過ぎ」とバッシングされた。当時いたライデル・マルティネスや投手陣からも不満の声が出て一部解禁する事態にも発展していた。
 立浪監督は、昨春のキャンプ中の筆者のインタビューに対して、炊飯器を撤去した理由をこう説明していた。
「試合に(レギュラーで)出る選手が、試合前に、どんぶりものや、麺類とかをいっぱい食べていたんです。そんな試合前に腹一杯食べて、いい働きができるわけがないんでね。おにぎりは置くけど『アホみたいに、どんぶりものを食べたらあかんでえ』と、それだけの話ですよ」
 何も白米を食べることを禁じたわけではなく、数時間後にプレーボールを控えている状況で、運動することに支障があるほどの食事量には、問題があることを指摘して炊飯器を撤去しただけで、おにぎりなどは用意されていたという。
 では今季から井上監督はどうするのか。
「炊飯器撤去?そこまではやりません」
 バンテリンドームの選手食堂に炊飯器を戻す方針を示した。
 実は、井上監督は、評論家時代の2023年に立浪前監督が「炊飯器撤去」を決める“きっかけ”になるような会話をしたことがあるという。
「立浪さんがやったことには一理あるんです。立浪さんと、こんな話をしたんです。『オレたちの時代とは違うのかなあ。試合前には、あのピッチャーは、昨日打てなかったら、なんとかしないとあかんとか、色々と考えると、ご飯が食えなかったよな。それが今は両手にどんぶりを乗せてがんがん食べている』と冷静に言うんです。僕は、現役時代、試合前にバナナを食べていました。本当はバナナが苦手なんですが、何かをお腹に入れておかないといけないという意識で頑張って食べていたんです。でも今の選手は、何も考えることなく試合前に、ご飯をがんがん食べている。その姿を見て立浪さんが『それはないだろう』と思ったのが(炊飯器撤去)のきっかけなんです。これから始まるという試合直前に、食べ過ぎると、動きが鈍くなり、困ることってあるんですよ」
 井上監督も立浪前監督の取った方針が理解できる。
 それゆえまずは、暫定措置として選手食堂に炊飯器を戻すことにしたが、「シーズンが始まる中であまりに目に余るようなことが見えてきたなら『もうちょっと考えてええんちゃうか』などと言うことになるかもしれない」と井上監督は言う。

 

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