
【独占】横浜DeNA三浦監督に聞く「バウアーの勝ち星上積みで巨人に勝って優勝?そんな単純なものじゃない。だから野球は面白い」
横浜DeNAの三浦大輔監督(51)を沖縄・宜野湾キャンプで独占インタビューした。昨季レギュラーシーズンは3位に終わったものの、クライマックスシリーズ、日本シリーズと勝ち抜き、26年ぶりの日本一を手にした。今季の目標はレギュラーシーズンの優勝と日本一の完全V。元サイヤング賞投手で、2年前には10勝しているトレバー・バウアー(34)の復帰も決まり、横浜DeNAが優勝候補として急浮上している。
下剋上日本一の財産とは?
「ユニオンですからスタジアム宜野湾」には、2025年のスローガン「横浜奪首」の垂れ幕が掲げてある。昨季“下剋上日本一”を果たしたが、レギュラーシーズンの成績は3位だった。
「目標がよりいっそう明確になりました」
三浦監督がみつめる先にぶれはない。
「オフの選手のコメントをみると、誰もがリーグ3位の悔しさを口にして、2025年の目標は、リーグ優勝からと言っています。全員が同じ気持ちで2025年に入ってきた。昨年と違ったところを見せなければならない」
指揮官はチーム全体がひとつの方向を向いている手応えと覚悟を明かした。
下馬評はいい。ポストシーズンの戦いで見せたチームポテンシャルに加えてバウアーの加入が大きい。それでも三浦監督は、評論家の評価などどこ吹く風だ。
「昨年の日本一に加えて、バウアーが来たので(優勝)順位も予想されますけど、去年、的中させた方がどれくらいいましたか(笑)。自分も2年間、評論家として順位予想をしましたが、正直わからないものだし、当たらないもの。そりゃ、優勝予想をしている方の予想通りの戦いをしたいが、5位、6位予想の人もいると思う。ソフトバンクとの日本シリーズで横浜DeNAの優勝を予想した人はほぼいなかった。あまり関係ない。どんな予想が出ても、やることと目標は変わらないんです」
レギュラーシーズンは、71勝69敗3分けで貯金はわずか「2」だった。優勝した巨人は77勝59敗7分けで貯金が18もあり、8ゲーム差をつけられたが、勝ち数だけで見れば6勝しか違わない。バウアーの10勝が加算されれば、その6勝は埋まるとの声もある。
「そんな単純なものじゃない、ということはわかっています。だから野球はおもしろい。数字だけでは計り知れないものがあるから、感動も生まれるんですよ。3位で終わって、クライマックスでは、シーズンでは負け越している上位2チームに勝ち越して、貯金2のチームが、日本シリーズで優勝できた。そもそも数字だけで考えると勝てていない。それ以上のものが生まれて勝てて、たくさんの方々に喜んでもらえた。昨年はそれでよかった。でも今年はそれではいけない」
――バウアーとの契約には、どのあたりで見通しが?
「まあまあ。そこは(笑)。ただ交渉中であることは(フロントから)聞いていましたし、報告は随時聞いていました」
他球団の関係者によると、中日、巨人、横浜DeNAの3つ巴でマネー戦争となっていたライデル・マルティネスの争奪戦から横浜DeNAが“ある時点”で撤退の意向を示したという。その横浜DeNAの変化に「バウアーが決まったので、ライデル資金をそちらに回すのでは?」との“噂”が各球団の編成担当の間を駆け巡っていた。
――2年前は契約が遅れて5月からの参戦になりました。今回は開幕から間に合いますか?
「交渉が決まりましたが、ビザの(発給の)状況もあり現状はわからないんです」
――東克樹、バウアー、アンドレ・ジャクソン、アンソニー・ケイと、計算の立つ4本柱が揃いました。キャンプでは5番手、6番手の先発の確立がテーマになりますね。
「すべてが計算通りにはいかない。まだざっくりとしか考えていません。思い通りにいかなかった場合は、どうカバーするかも含めて、何パターンかを考えなければならない」