
“魔改造中”の巨人マー君は本当に復活できるのか…初のライブBPで内野ゴロ量産の熟練の投球術を披露も全盛期に程遠い“へなちょこ”ストレートに疑問
池田氏はこの日のストレートの質とスピードを問題視していなかった。
田中は、宮崎キャンプから、オリオールズに移籍した菅野智之を再生したことで知られる久保巡回投手コーチのマンツーマン指導を受けて横振りになっていた体の使い方を縦振りに変えるフォームの“魔改造”に取り組んでいる。
16日にブルペンに入ったばかりで、まだ第4クールの3日目。ここで〇×の判断をする時期ではない。
ただ2023年オフに肘のクリーニング手術をした影響で、昨年は、9月28日のオリックス戦1試合にしか登板しておらず、5回を投げ6安打1奪三振2四球4失点で負け投手となっていた。その試合のストレートの最速は147キロで平均球速は143キロ。完全復活には程遠い内容だった。ツーシームを多用するなど「打たせて取る」投球スタイルへと変貌する兆候は見せていたが、ストレートの質、球速と共に変化球のキレを取り戻さねば、1年を通じてローテーを守ることはできない。
マー君は、残り3勝に迫っている日米通算200勝の金字塔を成し遂げて巨人のローテー入りを勝ち取ることができるのか。池田氏はこんな意見を持つ。
「投球術、コントロールは間違いない。ゲームは作れる。その変化球やコントロールを生かすにはストレートの質を取り戻さねばならない。しかも、アウトコース低めだけでなく、高め、インサイドに強いボールを投げ込む必要がある。ただ今季の巨人は、ライデル・マルティネスが入ったことでブルペンが鉄板。長いイニングを考えず、序盤から飛ばして6回、あるいは5回を2失点以内に抑えてゲームを作れば、勝ちがつく可能性が高い。安定してコンディションをキープできれば、ローテーの5番手、6番手に田中が食い込む可能性は十分にあるだろう」
中日の絶対的守護神だったマルティネスを推定4年60億円の大型契約で獲得したことで、9回マルティネス、8回大勢の勝利方程式が固まった。さらに7回には、バルドナード、船迫大雅、高梨雄平、ケラーらが待機する。つまり5、6回までゲームを作れば、先発の役割を果たしたことになる。マー君の熟練の投球術をもってすれば、相手打線を2巡目まで手玉に取ることは十分に可能だろう。
阿部監督は、この日のライブBPにマー君に続き、戸郷翔征、山崎伊織、グリフィン、井上温大の“ローテー4本柱”を登板させた。田中へローテー入りの期待を寄せている証だろう。阿部監督は、移籍後初実戦の田中に及第点を与えている。