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元世界王者のモロニーが「天心の挑戦がまだ早かったことをわからせる」と豪語(写真・山口裕朗)
元世界王者のモロニーが「天心の挑戦がまだ早かったことをわからせる」と豪語(写真・山口裕朗)

那須川天心の元世界王者モロニーへの挑戦は本当に「まだ早すぎる」のか…陣営が公開練習で「誰が言ってんだ?」と嚙みつき“ザワザワ”…裏にある“サウスポー苦手”の致命的弱点

 天心戦が決まると日本から若手のサウスポー富岡浩介(RE:BOOT)を招き、1月24日に左目上の負傷を再発させたサム・グッドマン(豪州)の代役として“モンスター”井上とサウスポースタイルで対戦したキム・イェジュン(韓国)ともスパーを行い対策を練ってきたという。
 しかし、会見では代表質問に噛みつき、サウスポーの言葉に異常に反応した。すべてがサウスポーへの意識過剰。つまり“天心アレルギー”を象徴する出来事だった。
 視察した粟生トレーナーも「サウスポーに変な苦手意識を持っている選手は、それが抜け辛い」と指摘した。
「武居戦ではやりづらそうにしているなと思った。12ラウンドは覚悟を決めていかせたが、遅いぞっていう話。もっとチャンスがあっただろうとも思うが、これは向き合った2人にしかわからない、間合い、雰囲気、リズム、タイミングがある。それで、ずっともやもやしていたんじゃないか。タイプが違うのでサウスポーとの連戦がプラスになるかわからないが、もし武居戦のイメージが残っているなら、こっちはありがたい」
 粟生トレーナーも世界を制した現役時代にサウスポーだっただけに苦手な選手のことはよくわかる。
「あの第12ラウンドの戦いを3分間、10ラウンドやられると面倒くさいが、さすがにそれはできないし、天心もさせない動きができる。嫌なパターンはそんなに想定していない。それを彼がどこでやってくるか。打開できる練習はしてきている」
 天心は、前日にスパーリングを打ち上げた。前回のアシロ戦では「動いて落とした」最終段階の減量で疲労が抜けきらず、うまくいかなかったそうだが、今回は、「動かず半身浴での水抜き」を試すそうで万全の準備を整えた。
 天心がモロニーが苦手意識を抱くサウスポーの利点を生かし、ジャブで距離を測り、出入りのボクシングを徹底すれば、ポイントを重ねていくだろう。
 苦戦材料はほぼ見当らない。
 もし危険な場面があるとすれば、天心がKOを狙って強引に倒しにいき、モロニーが武居戦の最終ラウンドで作ったシーンを自らお膳立てしてしまうケース。
 それでも粟生トレーナーはこう断言した。
「判定?KO?難しいっすね、どっちもある。チームとしての願いは倒して勝ってもらうのがベスト。しっかりと周りを納得させるにもKOがベストなんです。でもKOは流れなんで狙ってできるもんじゃない。その流れを作るには、こちらから仕掛けて動かす必要がある。前の手、ポジション取り、プレスのかけ方、動かし方と、色々高いレベルでやらせてきた。(KOできなくとも)モロニーを相手に10ラウンド戦って勝ち切れば自信になる」
 天心が本物であることを示す注目のゴングは5日後だ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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