
「大谷翔平の投手復帰プロセスは馬鹿馬鹿しいほど遅い」MLB怪我の専門家がドジャースの5月二刀流復帰プランを“慎重すぎる”と批判
大谷は、2023年9月にフランク・ジョーブ博士の愛弟子であるニール・エラトラッシュ医師の執刀で右肘の手術を受けた。
「どんな手術をしたかは謎だ。靭帯の修正手術のようだが、どんな手術をしたかは明らかになっていない。すべてのリハビリは順調に進んでいるように見える」
キャロル氏はそう語った上でこう続けた。
「補強手術はより早く復帰するためのものだ。ヨーロッパのサッカー選手の多くが同じような足首の手術をしているが、数週間で復帰している。野球も同じだ。マイク・トラウトの親指の怪我を覚えているだろうか。彼も数週間で戻った。肘も同じ手術だが、1974年に作られたリハビリのプログラムが今も使われているため、復帰は早くない。フランク・ジョーブ博士が考案したものをマイク・マーシャル医師が少し調整し、ケビン・ウィル医師がさらに多く修正したが、復帰まで18か月もかかるというのは馬鹿げている。(大谷の復帰プロセスは)馬鹿馬鹿しいほど遅い」
医師が定めたリハビリプロセスそのものを批判した。
キャロル氏は医師経験はないが、2015年にフランク・ジョーブ博士についての記事を書き、アメリカ整形外科学会からMORE賞を受賞している。
大谷は2018年10月にもトミー・ジョン手術を行っている。新型コロナの影響でMLBのスケジュールが大幅に変更になったことも手伝い、投手復帰したのは2020年7月。キャロル氏は「遅い」と指摘したが、予定通りに運べば、前回よりも2か月早い。しかも、2度目の手術。ドジャースは大谷と10年7億ドル(約1057億円)という超大型契約を結んでいる。球界の宝とも言えるMVP男に、2度と怪我をさせないため、慎重にリハビリを進めるのは当然だろう。
さらにFAでブレイク・スネル、ポスティングで佐々木朗希を獲得したことで、3月18、19日と東京ドームで迎えるカブスとの開幕戦からのローテーション候補は、山本由伸、スネル、タイラー・グラスノー、佐々木、トニー・ゴンソリン、ダスティン・メイ、ボビー・ミラーと7人も揃っていて大谷の復帰に急を要さない。
5月の二刀流復帰はドジャースとして至極当然な方針なのだが、どうも一部の米メディアには、スーパースターに何かといちゃもんをつけたがる傾向があるようだ。
時代と共に医学が進化し、症例も増えていてトミー・ジョン手術からの復帰プログラムは、かなり進歩しているとされている。ただ、その点に関しては、まだ改善の余地があるのかもしれない。