
「違法だと知らずとも自覚を欠いた行動」オリックスが山岡泰輔に活動自粛を命じたオンラインカジノ問題は氷山の一角?それとも…卓球、芸能からプロ野球にまで飛び火した問題はどこまで広がる?
オンラインカジノは、海外で合法的に運営されているものに関しては、摘発が難しく、国内から利用することは明らかな違法であるにもかかわらず、これまでは「グレー」扱いとなっていた。国内の利用者は、300万人を超えているといわれ、社会問題化しているため、警察庁は、換金する国内の決済代行業者の線から糸口をつかみ、過去の利用歴などを洗い出して大規模な摘発、捜査に乗り出している。
その過程で1月末にまず卓球の東京五輪の男子団体で銅メダルを獲得した丹羽が、賭博罪で書類送検され、今月20日、略式起訴され罰金10万円を命じられた。丹羽は所属していた卓球Tリーグの岡山リベッツを1月30日に契約解除されている。
また芸能界でも2月5日に吉本興業がタレント名や詳細を伏せた上で、事実関係が確定するまで当該タレントが活動を自粛すると発表。その後、お笑いコンビ「ダイタク」の吉本大、「9番街レトロ」のなかむら★しゅんが警視庁から任意の事情聴取を受けたことが報じられた。また15日には、お笑いコンビ「令和ロマン」の髙比良くるまが、YouTubeで、4、5年前の大学時代に「インターネットなどで広告が出ていることから違法ではないと認識し」オンラインカジノを利用したことを明かした上で、警視庁から事情聴取を受けたことを伝えて謝罪し、活動自粛を発表した。
実際、丹羽が利用した「ステーク」は、プロボクシングの世界戦のスポンサーを務めたことが何度もあり、リングのロープや選手の取材用のスポンサーボードにも「Stake」と広告され、会場では「Stake」とプリントされたTシャツを来場者にプレゼントしていた。これらのメジャーなスポーツを利用した広告活動が「違法ではない」との認識を植え付けることにつながった可能性も否定できない。スポンサーを紹介した広告代理店にも問題はあるだろう。
プロ野球の各球団の調査はスタートしたばかり。オリックスでは山岡一人だけだったようだが、これが氷山の一角か、それとも次から次へと名乗り出る選手が出てくるのかは不明だ。過去数年までさかのぼれば、ひょっとすれば、第二、第三の利用者が出てくるかもしれない。プロ野球はまだシーズンが始まっていないが、開幕を前に活動自粛を余儀なくされる選手が多く出てくればペナントレースの行方にさえ影響を与える大問題となる。
某球団のフロントに連絡を取ったが「まだ調査中だが、利用していないことを祈るしかないし、もし発覚した場合は、早急に対応をしなければならない」と戦々恐々としていた。これが現状なのだろう。今後の成り行きに注目が集まる。