
亀田京之介は再計量でクリアも900g体重超過の“失態”を犯した“悪童”ネリを敵地メキシコで「ボコボコにする」ことができるのか…海外予想は1対4で圧倒的不利
亀田は前日会見でもこう豪語していた。
年上の井上尚弥を「井上」と呼び捨てにして、「井上(とネリ)の試合は見た。この時初めてこいつを知って、たいして強い奴でもないなあとオレは感じた。まさか試合をするとは思ってもなかったけど井上とやった奴かくらいの感じやった。これはおいしいなと思って挑戦させてもらった」と挑戦への経緯を説明。
「今、日本人のボクサーは井上の時代やけど、亀田の時代にするよ」
そう大口を叩いた後に、KOラウンドを聞かれ、人差し指を立てて「1ラウンド」と予告していた。
一方のネリも「1ラウンドから6ラウンドの間で必ず(KOで)仕留めてみせる」と不敵にKO宣言をやり返している。
では、亀田にアップセットの可能性はあるのだろうか。
ブックメーカーの予想オッズは圧倒的にネリだ。英国大手のウィリアムヒルのオッズでは、ネリ勝利が1.2倍で亀田勝利が4.33倍。約1対4の賭け率の差がある。さらにネリのKO&TKO勝利が1.73倍、亀田のそれが8倍と、ネリが圧倒的に支持されている。
37戦35勝(27KO)2敗の戦績を持つネリは元2階級制覇王者。負けた2試合は“モンスター”井上と、元2階級制覇王者で、先日スティーブン・フルトン(米国)に判定負けしてWBC世界フェザー級王座から陥落したブランドン・フィゲロア(米国)の2人。“ゴッドレフト”山中を2度沈めた試合は、ドーピング疑惑や体重超過のインチキだったが、元WBA世界バンタム級スーパー王者のファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)にも勝利するなど、トップクラスと拳を交えてきた。
一方の亀田は20戦15勝(9KO)3敗2分けの戦績で世界挑戦は初。元地域王者の中川麦茶(ミツキ)とは、2度対戦して1勝1分けで決着はつけたが、世界のトップランカーとの対戦経験はない。昨年10月には、元WBC世界スーパーフライ級王者のスリヤン・ソー・ルンヴィサイ(タイ)に判定勝ちしたが、すでに35歳で力は落ちていたロートル相手で評価には値しない。
経験と実力差は顕著。亀田が、身長とリーチ差、フットワークを生かしたアウトボクシングで、ネリを空回りさせる可能性はあるが、いかんせんパンチがない。まともにやれば、勝ち目はない。ブックメーカーのオッズも当然の予想だろう。