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  • 衝撃告白!WBA世界ベルトへ挑戦の比嘉大吾の“名参謀”が「負けたらトレーナーを辞める」…進退をかけたハッパに“沖縄の倒し屋”は応えることができるのか
比嘉大吾を支える名トレーナーの野木丈司氏が「負けたらトレーナーを辞める」と悲壮な覚悟を明かす
比嘉大吾を支える名トレーナーの野木丈司氏が「負けたらトレーナーを辞める」と悲壮な覚悟を明かす

衝撃告白!WBA世界ベルトへ挑戦の比嘉大吾の“名参謀”が「負けたらトレーナーを辞める」…進退をかけたハッパに“沖縄の倒し屋”は応えることができるのか

 武居戦の紙一重の敗因はメンタルにあったと分析した。
「今回は、ああなった場合に絶対にポイントをとりにいく。武居選手がモロニー戦と大吾の試合の12ラウンドでガラっと変わったじゃないですか。今回、大吾は、あの武居選手の戦いを見習い、ああいう風にいくつもり」
 武居は、昨年5月にモロニーから判定勝利でベルトを奪ったが、最終ラウンドにグロッキー寸前まで追い詰められていた。だが、9月の比嘉戦ではその最終ラウンドの戦いで勝利を手にした。野木トレーナーは今度は比嘉がその最終ラウンドの進化を見せる番だと考えている。そのためには、気分屋の比嘉の心の内側に「絶対に負けられない」との湧き上がるモチベーションを植え付けなければならない。だからこそ野木トレーナーは「負けたら辞める」と比嘉に伝え、捨て身のハッパをかけたのである。
 堤戦は激しい消耗戦になることは間違いない。
 筆者は、構えを右、左に変えるスイッチを持ち味のひとつとする堤が序盤は裏をかいてサウスポースタイルで来るのではないかと予想している。
 野木トレーナーは、「彼は喧嘩四つになるのは好きじゃないと見ているんです。だから右対右で来ると思っていますが、武居戦で見せたようにたとえサウスポーできても対応はできます」と万全の構え。
 手数勝負の打撃戦の中で、比嘉の武器である左フックをどのタイミングでどうお見舞いするかがポイントにもなる。
「前半から襲いかかれる大吾になれば楽しみ。それは大吾の目をみればわかるんです。無機質なサメみたいな目をする。そういう目になってきた。もし堤選手が離れてボクシングをしてきても逃げる相手を追い詰めるのはうまい。堤選手は気持ちは強いが、頸椎の形からみても絶対に倒れない選手ではない。当たれば倒れます」
 名トレーナーが進退をかけた大勝負。
 比嘉に「負けたら野木さんが辞める。負けられないな」と声をかけると「頑張るしかないです」と、言葉少なに笑顔で返した。
 今日23日に前日計量。過去フライ級時代に体重超過で、無期限ライセンス停止処分を受けた“前科”のある比嘉だが、すでにリミットまで残り900グラムで不安材料はない。
 野木トレーナーが言う。
「緊張はしますが、どんな結果が出るか楽しみですね」
 繰り返すが、このタイトル戦はどっちが勝ってもおかしくない。悲劇を乗り越えてベルトを手にして自信をつけ、エンドレスな粘り強いファイトには定評のある堤か。それとも進退をかけた比嘉―野木の師弟コンビが、“沖縄の倒し屋”の本領を発揮して激闘を制するのか。注目のゴングが迫っている。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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