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亀田京之介は人生初のダウンを経験してネリに7回TKO負け(写真・TMKジム提供)
亀田京之介は人生初のダウンを経験してネリに7回TKO負け(写真・TMKジム提供)

「亀田京之介は私や世間に対して無礼だった」“悪童”ネリが7回TKOで井上尚弥戦以来の再起飾るも練習不足を露呈…大善戦の亀田は「奴は強かった。今の実力がわかった」と謙虚に反省

 プロボクシング元世界2階級制覇王者の“悪童”ルイス・ネリ(30、メキシコ)と亀田3兄弟のいとこで、WBC、WBA、WBO世界フェザー級15位の亀田京之介(26、TMK)が22日(日本時間23日)、メキシコ・ティファナで124ポンド(56.24キロ)契約のノンタイトルマッチ10回戦で対戦し、ネリが7回2分23秒TKOで勝利した。カウンター狙いの亀田は1回に“幻のダウン”シーンを作るなどしたが、ネリの怒涛の攻撃の前に防戦一方。全ラウンドでポイントを許しての完敗だった。昨年5月6日にスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(31、大橋)に6回TKO負けを喫して以来の再起戦を飾ったネリは試合後に「亀田は私や世間に対して無礼だった。ただ終われば悪意は持たない」とコメント。一方の亀田は「ネリは強かった。自分の今の実力がわかった」と反省を口にした。

 

7回TKO勝利のネリは試合後に亀田の健闘を称えた(写真・TMKジム提供)

 疑惑のダウンシーンも

 

 ネリの猛攻に耐え続けた亀田がついに崩壊したのは7ラウンドだった。
「右を伸ばして左フックを狙え。前へ出ろ!出ろ!」
 亀田のセコンドからは、そうカウンター狙いの指示があったが、ネリのパンチの嵐の前に防戦一方。コーナーに詰められ、左のストレートを顎に食らい、態勢が崩れて、前のめりになったところに左のボディショットを浴びた。押し倒されたように右膝をついた。
 亀田はすぐに立ち上がって「スリップだ!」とアピールしたが、レフェリーは認めず、この試合で始めてのダウン。ネリは決着をつけにきた。
 左ボディを決められ、足もとがふらつくと、そこに左フック、さらに右ストレートと追い打ちされ、猛ラッシュをかけられると、腰が落ちまた膝をついた。レフェリーはカウントを続けたが、TKO勝利と勘違いしたネリは、もうコーナーに駆け上がってしまっていた。亀田は、再度立ち上がったが、セコンドがリング内に足を踏み入れたため、レフェリーは棄権の意思表示とみなしてTKO負けを宣告した。
 ネリは亀田に近寄りその健闘を称えた。
 地元紙「El Sol de México」によると「リングの上では勝ちも負けもあるのがボクシングだ」と伝えたという。抱き合った亀田はそのままリングに残って、ネリの勝ち名乗りを聞き、悪態をつくこともなく素直に祝福の拍手を送った。
 亀田はTMKジムを通じてこうコメントを伝えた。
「ネリは本当に強かった。自分がパンチを当てても抜ける感じがして、有効打にならなかったのを試合中に感じていた。相手はパンチも強く、俺の思うようにボクシングさせてくれなかった。自分の中でやれる事はやり出し切れたと思う。今の自分の実力が分かった。またゼロからやり直して這い上がりたいと思う」
 最後にファンに「沢山の応援ありがとうございました」との言葉を添えた。
「ネリ、ネリ」の敵地の大コールの中で始まった第1ラウンドに見せ場は作った。
 荒っぽく左右フックを振り回してくるネリにカウンターで対処した亀田は、乱打戦の中で、右のストレートをヒットさせると、元2階級制覇王者がガクンと膝をついたのだ。ダウンをとってもおかしくなかったが、レフェリーはスリップダウンの判定。幻のダウンシーンとなった。
 「来いよ!来いよ」
 互いに気持ちを剥き出しにして何度も挑発をしあった。

 

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